2005年02月22日
以って範(のり)とすべきでは…
NHLの全試合中止
野球をメーンに担当する身にとっても、その外電はかなり衝撃を受けました。NHL(北米プロアイスホッケーリーグ)の今季全1230試合が中止になったというニュースです。
ご存知の方も多いでしょうが、サラリーキャップ制の導入を巡っての新労使協定交渉が決裂したためで、オーナー側と選手会側がそれなりに歩み寄ろうとしていたとのことですが、ついに合意には至らなかったという発表でした。
サラリーキャップ制を簡単に説明すると、選手の年俸を抑制する制度。リーグが毎年、最大の使用金額を規定、総年俸がそれを超えたチームに罰則が与えられる方式で、その目的はFA制による年俸高騰の抑止と各チームの戦力均衡を図るためです。
米4大プロスポーツでは、NFL(アメリカンフットボール)、NBA(プロバスケット)、MLB(大リーグ)で採用されています。それぞれ内容は異なっており、MLBを例に取れば課徴金制(ぜいたく税)を採りいれ、基準額は5、6番目のチームの中間に置かれ、超過分に22・5%が徴収され、回数によって割合は増す。ヤンキースのような金満球団? は、課徴金を支払ってでも、毎年のように補強をしています。
NHLも3リーグにならって、この制度の導入を試みたのですが、約5億7000万円の差が縮まらなかったということです。
アイスホッケーは日本ではそれほど人気を博してないですが、私は結構好きなスポーツです。スピードがあり、あの小さなパックを巡っての“氷上の格闘技”は迫力がある。さらに、よくある乱闘も一興。このあたりが米国人に受け入れられて、年間2000億円ぐらいの興業収入があると聞いています。
長々とNHLのことを書きましたが、この件は決して“対岸の火事”ではないと考えているからです。いずれ、日本のプロ野球にもサラリーキャップ制が導入される、いやされるべきではないかと思っています。
別表に選手会が調べた昨年度の各球団の年俸総額を添えましたが、最下位の広島と巨人では、倍以上の開きがあります。企業の勝手でしょう! と言ってしまえばそれまでですが、真のプロ野球の繁栄、野球の裾野の広がりを考えた時、私は人件費高騰にある程度、歯止めをかけるべきだと考えます。
私の持論は2リーグ制堅持、球団数も増やすことはあっても、減らしてはならない--です。今年の楽天のモテモテぶりなど、そのいい例でしょう。そりゃあ、選手の側からすればできるだけ多く欲しいだろうし、夢を売るプロとして高年俸は象徴になるのは確かですが、その点と球界の発展をしっかりと融合させていかないと……。
ただ、球団側も努力・工夫をしていかなければなりません。人件費の抑制に主眼を置くのではなく、収入源をいかに多角的にしていくか。その模索をしなくては、選手会も歩み寄ってくれないでしょう。
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February 22, 2005 01:33 PM | コメント (0) | トラックバック (2)
2005年02月15日
投手陣の層は厚いが…
阪神沖縄キャンプ
沖縄へ6日から12日まで行って来ました。宮古島のオリックスは1日だけで、能書きを言うのは失礼にあたるので、数日間見た阪神タイガースのキャンプ印象記を書いてみたいと思います。
まず投手陣ですが、総論として「層が厚いな」と感じました。宜野座キャンプには18人が参加していますが、半分がサウスポー。バランスが取れているし、陣容的に先発・中継ぎ・抑えとそろっています。恐らく量的には12球団でも有数でしょう。
先発スタッフは井川、福原、安藤、下柳、杉山、それに新外国人のブラウン、ダーウィン、中村泰、さらにルーキーの能見も加わってくる可能性があります。
能見については同行した本紙評論家・梨田氏(前近鉄監督)が「球種も豊富だし、ボールに角度がある。ただ、球質が軽いのが気になるが…」と評していましたが、楽しみな存在であることは確かです。
13日の日本ハム戦で筒井和、金沢、前川の3人で15失点。本紙の即売速報版で大きく取り上げていましたが、私自身は全く気にしていません。一度の失敗で彼らに烙印を押す気はないが、他にいくらでも人材はいるからです。
もう1つ付け加えれば高知の2軍キャンプには故障明けの太陽、三東、ベテランの佐久本もいます。前記2人は今季中盤あたりには復帰できるでしょう。
手ゴマが多いということは、調子を見極めながら、入れ替えがどんどんできるということです。頭数に悩むオリックス仰木監督も実にうらやましがっていました。セットアッパー候補の藤川、ウィリアムス、抑えの久保田も順調で敵は故障だけじゃないかと感じました。
一方、野手陣ですが、私の目には2人の選手が気がかりに映りました。赤星と鳥谷です。
まず赤星ですが、足を上げて引っ張る打法を手中にしようとしていますが、フリー打撃はまずまずとしても、11日の日本ハム戦ではタイミングが合っていなかった。というより遅れていたという方が当たっているでしょう。打ちにいくとき、右肩が入り過ぎて始動が遅い印象を受けました。
鳥谷は11日の素晴らしいホームランを目の辺りにしましたが、1打席ごとのバラつきが気になりました。なるほど昨年よりも始動は早くなっていますが、本紙評論家・真弓氏が指摘したようにまだ“バットの遠回り”は完全には解消していません。
まだキャンプも中盤、終盤からオープン戦にかけて修正はしてくると期待していますが、レギュラーを約束されている選手だけに、つい厳しい見方をしてしまいます。
なお、蛇足ながら沖縄では球団の首脳にこのコラムをPRし、見ていただきました。今回のキャンプ印象記、どう感じられたか、安芸へ行ってお伺いしようと思っています。
February 15, 2005 03:41 PM | コメント (0) | トラックバック (2)
2005年02月08日
大歓迎するが難問多し
大阪市民球団
さる2日、大阪に市民球団を作る構想が発表された。MKタクシーの会長も兼ねる近畿産業信用組合の青木貞雄会長(76)が明らかにしたものだ。
既に、本紙では大きく報道され、一般紙にも紹介されたが、その概要をもう一度ここでおさらいすると、資金調達は2つの方法で行う。選手の年俸(70人枠)は一人につき1企業がスポンサーになる。一方で初期費用として府民・市民を中心に1人1万円の出資を100万人に求める(合計100億円)というユニークなプランだ。
大阪に生まれ育って50有余年、幼き頃は南海ファンであり、西本近鉄の全盛時に猛牛番であった身には、歓迎すべき構想ではあるが、誕生に向けては難問が山積していると感じた。
まず、資金面について、1球団は選手だけで成り立たない。首脳陣、打撃投手、トレーナー、広報、スコアラー……、いわゆる現場サイドで100人をはるかに超える人間が要る。さらにスカウトを中心にした編成部門、営業、総務などフロント組にも数十人。現に阪神タイガースは嘱託など含め総勢200人近くを雇用している。
この構成員への人件費はかなりのもの。近鉄が球団を手放した毎年30億円の赤字のほとんどは人件費から出たもの。他の現存の赤字球団の窮状も、ほぼ同様の形態だ。それを100億円でまかなおうということだろうが、果たして100万人の出資者が現れるか、これも疑問符がつく。
2点目は同時に発表された収支予想で1試合の観客動員を3万1200人(1人平均単価1750円)とし、初年度から3700万円の黒字を見込んでいるということ。入場者数はセ6球団の平均値から割り出したものらしいが、巨人、阪神という“化け物チーム”があってこそ、その数字が出るのであって、例えセに加入が認められたにしても、それだけの身入りがあるかどうか。
3つ目は野球協約に抵触する案が多々あり、参入が認められるか、これまた疑問。コミッショナーの長谷川事務局長が、オーナーが明確化されていない点を指摘して参入に否定的な立場を明らかにしている。
確かに現在の協約には不備があると考えている。外野からは目一杯、これからも指摘・提案していきたいが、最終的には機構側、選手会などが自主的に改革していくしかない。
複数のスポンサーというのは、近鉄の悲劇を目の辺りにして興味深いテーマだとは思う。ただ、それにはクリアすべきことが多いのも事実だ。
MKタクシーを業界の革命児に導いた青木会長のこと、根回しは周到、秘策も持っているかもしれない。ただ選手の獲得もメドが立っていない現状で、3月に加盟申請するのは拙速ではないだろうか。
最後にもう一度記すが、構想・発足に異を唱えているのではない。大阪の府民税・市民税を支払っている野球大好きオジサンの疑問が杞憂であることを、密かに願っている。
February 8, 2005 03:50 PM | コメント (0) | トラックバック (0)
2005年02月01日
エエで、飛ばないボール
実りある監督会議
いよいよプロ野球のキャンプが始まった。12球団がどれだけチームを整備していくか、新戦力がどれぐらいの実力があるのか、興味は尽きない。私も阪神を中心に取材に行く予定で、ホットな話題をお伝えしたいと思っています。
キャンプ情報は後にするとして、今回はさる1月28日に行われた監督会議のことを取り上げたい。座長を務めるソフトバンク王監督が“飛ばないボール”の採用を提案、併せてパの6監督はストライクゾーンを「セ並みに広げて欲しい」と訴えた。
いわゆる飛ぶボールは近年、問題になっており、昨秋、大リーグ選抜チームが来日して、使用球の違いを選手、首脳陣が体験してさらに球界改革の一つにクローズアップされた。
そういう空気を察知したのだろう、監督会議の2日前、スポーツメーカー大手のミズノ社が従来より反発力が弱い公式球を開発した。発表によると約2・1メートル飛距離が落ち、本紙の試算によるとホームランはパで104本、セで33本減ることになる。
ホームランは野球の華の一つでそれこそ、王座長の現役時代は、あのスーパースターの1本でお客さんを呼ぶことができた。だから、ファンからすれば球趣が薄れるという不安を持つ方もいるだろうが、私はそれ以上にヒットの数が減るだろうと注目している。
昨季のセ・リーグは21人の3割打者を輩出した。パは9人、両リーグの投手と打者にそれほど格差はあり得ない。ちなみに10年前のセの3割打者は9人、ベスト10位は2割台だった。
かつては3割をマークすれば一流と言われたが、これほど多量になれば、一流の称号を与えていいのだろうか。その多量輩出の最大の要因は飛ぶボールだと私は思っている。詰まっていても内野手の頭を越え、少しいい当たりをすれば外野オーバー…。
もう一つはストライクゾーン。パの各監督はセの方が広いと言っているが、私はそう認識していない。特に右打者の外角球はむしろ辛めだと見ている。もちろんルールに沿って判定するのが基本だが、審判によって微妙に違う。
先日、阪神の岡田監督と野球談議をしていて「ええボールはストライクなんや」と語っていたのを思い出す。非常に微妙なニュアンスだが、内外角へビシっと決まった投球は右手を上げるべき、打者も「参りました!」と引き下がる、という意味なのだ。
残念ながら、王座長の提唱にセ側(球団も含め)は消極的で、来季へ持ち越しとなりそうだが、ストライクゾーンの問題は連盟、球団、現場でもっともっと突っ込んだ話し合いをしてもらいたい。
最後に付け加えると、80年前後にも“飛ぶボール”が問題視されたことがあった。この時も各メーカーがやや反発係数を減らしたと記憶している。それから徐々にまた飛距離が伸びていったのだ。
不具合が起きれば検証する--。様々な球界改革もその姿勢で臨むべきだ。
February 1, 2005 03:51 PM | コメント (0) | トラックバック (0)
