2005年01月18日
メジャー志向の違いは歴然
井川と藪
藪のアスレチックス入りが決まった。晴れがましい記者会見、満面の笑みをテレビ画面で見て、良かったな……と心の中で拍手を送った。
彼とは養護施設への支援を通して知り合い、それなりの親交を結んできた。昨夏、「メジャーなんか行かんやろな」と敢えて逆説的な質問をした。苦笑するだけだったが、その表情を見て、意思は固いな、と感じた。
少し余談になるが、彼がメジャーを目指した要因の一つに長谷川(マリナーズ)、高津(ホワイトソックス)と同い年だということがある。プロ選手は、特に彼ぐらいベテランになると彼我の力量は判断できる。体力面にも自信を持っている藪なら、オレもやれると思ったはずだ。このことも彼にぶつけたが、否定はしなかった。
その藪に刺激を受けたわけではないだろうが、井川のメジャー志向が今オフ、大きな話題になった。私は直接取材したことはないが、本紙のトラ番によると、その思いは強烈なようだ。
16日の深夜にABCで放映された「虎バン」(関西ローカル)でその思いを語っていたが、私は全く、納得ができなかった。
15日の2度目の契約交渉で、阪神球団はポスティングシステムによるメジャー移籍を断固として受け入れない方針を示した。これは当然なのだ。
現在の野球界のルールに従えば、メジャー移籍を認めることは、ルール破りになる。もちろん、いろんな改革を進めていかなければならないと考えているが、少なくとも、現状で決められていることを守っていかなければ、無秩序な球界になり、衰退への道をたどるのではないかと危惧する。
「虎バン」では「井の中の蛙で終わりたくない」と語っていたが、一昨年、日本中にタイガースフィーバーを巻き起こし、その中心エースとして20勝をマーク、MVP、沢村賞を獲得した選手が、どうして「井の中の蛙」なのか。むしろ、近い将来実現するだろうアジア勢とメジャーの決戦で、大リーガーをねじ伏せる方が快感があるのではないだろうか。
もう一つ、代理人に交渉を任せるのにも疑問がある。「夢を実現したい」と願うなら、ヒザ詰めで自ら交渉の場で訴えるのが筋じゃないか。まして、牧田球団社長は新任、スキンシップを図る絶好の機会じゃないか。今風と言ってしまえばそれまでだが、雇用-被雇用の関係ならばこそ、自身で訴えるのが、人の道だと思う。
もちろん、夢を持つことは素晴らしいことだ。向上心があることも認める。しかし、ルールは守らなければならない。FA権を行使してメジャー行きを果たした藪とは立場が違う。阪神球団には、今の姿勢を貫いてもらいたい。
井川に対して、かなり厳しい筆致になったが、阪神、いや野球ファンはどう思われるだろうか。
January 18, 2005 03:30 PM
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