2005年01月25日
そのぐらいのこだわりがあってもエエ
藤本の意地
プロ選手にとって、大切な要素は何だろうか。よく言われる「心・技・体」が妥当な表現だろう。もちろん、アマチュアにも共通することで、野球の場合には技術が最優先されると私は考えている。
ただし、技術と体力を向上させるには、心が原点になる。これは、長く野球界を見てきて、何度も痛感させられた。
その「心」の面で最近、ええ肝っ玉しているやないか! と感心した選手がいる。阪神の藤本敦士(27)だ。
岡田監督は開幕スタメン二塁を既に口約しているが、これに対して「簡単に与えられると思っていない」と語りながら、ショートのポジションへのこだわりも吐露していた。
その気概やよし! と言いたい。鳥谷というライバルがいても、監督の構想に、はい分かりました……と素直に従わないところが逆に頼もしい。そのぐらいの反骨心があってこそ、プロだろう。
阪神・淡路大震災で被害に遭い、その苦難を乗り越え、育英の主将としてセンバツに出場。亜大に進学したが、椎間板ヘルニアを患い中退。専門学校に入った後、デュプロで本格的に野球を再開、01年にドラフト7位で入団した。
この経歴を見ても、紆余曲折を経たプレーヤーだと分かるが、トラ番記者に聞いてみても、ひたむきで、ハングリー精神が溢れているという。
藤本のこだわりは、決して監督への反逆ではない。一昨年、レギュラーの座を勝ち取り、最終戦で3割に乗せた。確かに、鳥谷は“金の卵”であり、岡田監督の期待も大きいが、そう簡単に譲れるか……の思いあって当然だろう。
もう20年以上も前のこと。ある中継ぎ左腕にブルペンで用意している時の心境を聞いたことがある。「本音を言えば、投げている投手が打たれろ、と思っている」と心中を明かしてくれた。自分をアピールするにはマウンドに上がるしかない--というのも、すさまじいプロ根性だなと、思い知らされた。
彼は何もチームの負けを望んでいたわけではない。いや、むしろフォア・ザ・チームに徹していたタイプだが、それ以上に本番のマウンドを渇望していたのだ。ほどなく彼は先発スタッフに入り、準エース格の活躍をするようになった。そこまで台頭するようになったのは、あの本音からうかがえるプロ魂があったからと今でも思っている。
この左腕と藤本とでは全く同じケースではない。鳥谷の故障を望んでもいないだろう。だが、心の中に激しさ、闘争心を持つことはプロには不可欠。
とにかく利かん気が強い、やんちゃ坊主はプロに少なくなった……と思うのは私だけだろうか。
そんな想いにふけっていると、関本が開幕スタメン二塁奪取を宣言した。これまた頼もしい。今季の阪神の二遊間、激烈な争いを楽しみにしたい。
January 25, 2005 03:29 PM
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