2008年02月16日
センバツ出場校訪問記・東北(宮城)その2
「この時期にグラウンドが使えるのはありがたいですよ」。東北の五十嵐征彦監督、31歳。意外にもセンバツは初挑戦になります。
昨秋は左腕エース・萩野裕輔(2年)を中心に日替わりヒーローが誕生した。明治神宮大会では横浜(神奈川)を最後まで苦しめ4強に残った。東北と言うと、野球留学生の多い印象があるが、今年は違う。ベンチ入り18人中、12人が県内。しかもそのうち3人が学校のある泉区出身だ。
「この代は私が監督になって初めて(中学時代を)見て集まった子たちなんです。県外の子も勧誘しているわけではなくて、東北で野球をやりたいと言って来ています。うれしいですよね」。
間もなく就任5年目、「以前から考えていたことですが、今まで小さいいろいろなことを言いすぎてしまっていた。選手が実行する前に、僕がストップをかけて邪魔していたところがあったと思います」と反省を口にする。神宮大会後、スコアボードに“全力疾走に勝る技なし”と書いた。この全力疾走にはさまざまな意味合いが含まれている。まずはチームの特徴である足の速さを生かすため。盗塁はほとんどがノーサインだ。また、自分たちができる当たり前のこと徹底させるため。そして、失敗を恐れない全力プレーを目指すため。
「現役時代に比べて、今の子供は“失敗したらどうしよう”という気持ちが強い。挑戦してから後悔したほうがいいですから」。
五十嵐監督にとっても全力疾走は原点回帰につながっている。平成5年春、選手として出場した甲子園で土佐(高知)と対戦した。正直試合内容は緊張でよく覚えていない。「でも、土佐高校の全力疾走には目を奪われました。尋常じゃない走り。すごかった…」。監督室のガラスケースには名門校の名前が入ったボールがたくさん飾られている。しかし、土佐だけは別の段にあった。
また、野球部ノートならぬ自己管理日誌も日課となっている。成功も失敗も両方書いて、毎日出す子は伸びる傾向が高いとのこと。試合や大会の後にはレポートを提出させ、五十嵐監督が選手たちの反省を1つにまとめて伝えてあげる。そこからは選手だけでミーティング。ビデオを見ながら意見が飛び交う。「理想は選手同士でサインを出して、監督はノーサインの野球です」。そうは言うものの、道のりはなかなか険しそうだ。
「全力疾走も普段の練習ではまだまだですよ。ノートも書くスペースを減らしても書かない子がいたり、忘れたり無くしたり(苦笑)。僕も日々勉強中です」。
104年の伝統を受け継ぎつつ、挑戦は始まったばかり。そんな五十嵐監督の指導について選手は…。「選手の立場に立って、野球をのびのびやらせてくれます」というものが複数の選手に共通していたことだった。
【五十嵐監督推薦】 立花幸平一塁手(2年)
スイング数は数えない。毎日気がすむまでバットを振っている。消灯ぎりぎりまで振って、お風呂や洗濯の時間が無くなりそうな日もある。「一番練習すると言われてうれしいですけど、それはチームでの話。全国を見たら自分より振ってる選手はたくさんいますから」。頼もしい言葉の裏側には「悔しくてしょうがない」経験があった。昨秋の東北大会、優勝の輪のなかで自分だけが浮いていた。4試合でたったの1安打。打順も3番から7番に降格し、監督や仲間をも悩ませた。甲子園でも何番を打つかわからない。でも、活躍するイメージはできている。「完璧なフルスイングなんです。ホームランみたいな感じ。想像通りいってくれればいいですね」。努力の成果が花開くと期待したい。
◆推薦理由 「命名するならバットマン。チームで一番練習しますし、バットを振る量もナンバーワンです。期待の意味も込めて」(五十嵐監督)
(つづく)
February 16, 2008 11:08 PM
コメント
最近 この交換日記みたいなん結構どこもやってますね
個人の意見 悩みを聞き取りやすくていいみたいですね
正月休み持って帰ってきたんで見たけど…、コーチ・部長監督、それぞれが見てそれぞれがアドバイスをくれてるみたいで結構本気で書いててビックリしました。家ではあまり会話がないもんで…。
投稿者 BB : 2008年02月19日 16:08
矢島さん、こんばんは(^-^)
東北地方、以前に比べると本当に雪が降らなくなりました。
そこから望む山の雪化粧も、心なしか年々薄くなっているような気がします。
個人の力ではどうしようもないことですが、
「地球は大丈夫なのか?」
そう思う今日この頃です(練習環境という面では、歓迎すべきことだと思いますが^^;)。
それはさておき。
「全力疾走に勝る技なし」
東北高校のスローガン、素晴らしいですね。
しかも。
> 「一番練習すると言われてうれしいですけど、それはチームでの話。全国を見たら自分より振ってる選手はたくさんいますから」。
---
こういった広い視野で物事を捉えることができる選手が存在すると、チームの意識も格段に高まるのではないでしょうか。
一部(大部分!?)のプロ野球関係者にも、是非聴かせたい言葉です。
元は彼らも同じ、高校球児だったはずなのに…
ともあれ。
春も、もうすぐそこですね。
全国を見据えた立花選手と東北ナインのプレイ振り、是非チェックしたいと思います(^-^)
投稿者 Eff : 2008年02月19日 23:57
BBさん
本当に多いですね。珍しくなくなりましたね。
横浜・渡辺監督が携帯メールで悩みを聞いたりしているのと同じだと思います。
選手の本音を知る手段の1つですね。
Effさん
仙台の雪の少なさには本当に驚きました。
東北の選手も「本当はもっと降ってもおかしくない」と言っていましたね。
しかし、岩手県などへ行くとかなりの降雪量のようですね・・・。
立花選手は間髪入れず当然のように言っていました。
結果が伴わずホロ苦い秋でしたが、五十嵐監督はその練習量に目を細めています。
立花選手に刺激されることで、チーム全体が底上げされそうですね。
投稿者 矢島 : 2008年02月21日 00:21
