2007年10月20日
東洋大連覇のもう1人のヒーロー
東洋大が春に続いて秋も東都大学リーグを制した。MVP右腕・大場の影には女房役・大野奨太捕手(3年=岐阜総合学園)の好リードがあった。
文句なしの満票でのベストナイン獲得。この吉報に仲間との記念撮影ではしゃいでいた大野が目を丸くした。「本当ですか? 春はなんかこう納得できなかったですし、ちょっと狙っていたのでうれしいです」。
今春から正捕手に抜てきされ、春もベストナインを獲得した。しかし、青学大の小池翔大捕手(1年=常総学院)と票数は同じだった。受賞に変わりはないものの、自分のなかではどこか格好がつかなかった。
昨年の正捕手、田中大輔は中日に希望枠で入団。その後釜として試合経験の少ない自分が、大場翔太投手(4年=八千代松陰)という大エースをリードすることにもプレッシャーを感じていた。だが、春の開幕前に大場は「捕手に関しては心配いりません。いいのがいますから!」と大きな信頼を寄せていた。その話を大野にふると「自分なんか…。すべて大場さんのおかげですから」と謙遜するばかり。それでもこの秋はチームタイの4本塁打を放つ活躍。印象に残っているのが後のない国学院大3回戦、1点リードで迎えた9回に放った貴重な2ランだ。開幕カードということもあってチームが最も気を引き締めて挑んだ試合だった。
「4本塁打はできすぎで自分でもびっくりです。でも、春よりも楽に打席に入れていることは確かです」。大学選手権出場、日米大学野球にも大場とともに出場した。全国やアメリカの打者を相手にいつも以上に配球面に気を使い、また、夢中になると周りが見えなくなりがちな大場の性格も考えた。巨人・藤本茂喜スカウトは「春はがむしゃらな投球が多かったけど、秋は安心して最後まで見ていられる。そういうピッチングをしている」とバッテリーの成長を評価。さらに、春優勝のときは褒めてくれなかった高橋昭雄監督(59)が目じりを下げながら話した。
「(V2の立役者は)大場でしょう。あとはキャッチャーの大野ね。この子のレベルが大場に近づいたのが大きい。大場のいいところをもっと引き出してやろうと考えていた」。
創部初の春秋連覇の快挙。そして、もう1人の“ショウタ”がひと皮向けた秋だった。
◆大野奨太(おおの・しょうた)1987年(昭62)1月13日生まれ。岐阜県大垣市出身。小学3年のときに荒崎少年団で野球を始める。中学では西濃ボーイズに所属し、三塁手。岐阜総合学園入学後、強肩を買われて1年秋から捕手に転向。2、3年の夏の岐阜県大会はいずれも準優勝に終わり甲子園の土は踏めなかった。東洋大では1年春からベンチ入りし、今春から正捕手。打席に入る際、ヘルメットを脱ぐ仕草が印象的だ。176センチ、75キロ。右投げ右打ち。
October 20, 2007 07:40 AM
コメント
大忙しのセ・パクライマックスシリーズ(以下CS)の取材が終わりました。ただ、セ・リーグは第1・2ステージとも中日が全部勝ってしまったため、取材陣も「あっけなさ」を感じていました。
私の印象はあらためて落合監督の怖さを思い知った試合でした。巨人戦の1戦目に小笠原を先発させた「サプライズ」はありましたが、私はCSに入ってから2年目の平田を中堅で使ったことに驚きました。確かに彼は大阪桐蔭高時代、強打の選手として注目され、荒さはあるものの昨日も高橋尚から二塁打を放つなど、いいものを持っています。ただこの「負けたら終わり」の大舞台で起用するところに落合監督の「したたかさ」を感じるのです。「勝利」と同時に「育成」もしていますからね。中日には堂上兄弟もいますし、落合監督は立浪から森野に切り替えたように、「若手への転換」を図っていることが伺えます。
それと矢島さんが田中のことに触れていましたが、まだまだ谷繁の壁は厚いですね。このCS、リードもバットも絶好調で、阪神も巨人も「谷繁にやられた」と言っていましたしね。シーズン中当たっていなかった谷繁やイ・ビョンギュが活躍したことも大きかったです。こういうことは短期決戦では珍しくありませんが・・・。田中も谷繁と同じ広島県出身、どんどん吸収していって欲しいですね。
投稿者 LEON : 2007年10月21日 17:34
こんばんは。
一般的に前任者(田中捕手)の存在が大きいと、後任はなかなか正当な評価をえられなかったり、その影に影響されて伸び伸びとプレイできなかったりする場合も見受けられるのですが、(たった3回しか観たことが無いのですが)大野捕手にはそういった負のイメージがなく、むしろ掛け値無しで素晴らしいキャッチャーだという印象を持っています。
大場投手の卒業後は、彼が最上級生。
今度は、偉大な先輩が卒業した後の投手陣(上野投手を始めとして、素材はいいですよね)のよさを引き出すいい女房役を期待したいです。
投稿者 Eff : 2007年10月23日 02:02
先日、私が馬原のことを書いた時に、矢島さんが我が母校・九共大の秋季優勝について書かれていたので、私が在学していた時のことを。
私が4年の時、新垣は2年・馬原は1年でした。そしてその時の絶対的なエースは山村路直(現ソフトバンク)です。彼はその年のドラフトで山田秋親(立命館大)と「YYコンビ」として入団しました。それからのプロ生活は「苦難」そのものでした。数回にわたる手術を乗り越え、今季ついに1軍で初勝利をあげることが出来ました。本来なら先発としてバリバリやれるだけの実力はあったのです。今はかつてのような球威はないし、大学時代に相手をキリキリ舞いさせたスライダーのキレも失いました。でもフォークを習得し、シュートも身につけるなど、彼の1番の才能である「努力」で道を開きました。ハッキリ言って学生時代の山村の球はキャッチボールをしていても怖かったですからね。これは新垣たちの比ではありません。
少し脱線してしまいましたが、新垣も馬原も山村を見て育ったのだと思います。山村はとにかくよく「走りこむ」選手でした。これを見て新垣も下半身強化に乗り出したのです。現に大学時代の新垣は「故障のオンパレード」みたいなところがありましたから。当時の九共大はいい投手が多かったですから、先輩の背中を見て育っていくといういい関係ができていました。
投稿者 LEON : 2007年10月26日 17:58
LEONさん
谷繁捕手の存在は大きすぎますね。逆にいいお手本でもあると思うので
田中捕手ら若手は今のうちに盗めるものは盗んでほしいです。
一気に追い抜くのは難しいので、少しずつでも。
九共大のエピソードもありがとうございました。
投手王国を築く間で山村投手はいい置き土産を残しましたね。
今回の代表決定戦は残念でしたが主戦が下級生なので
来年以降の巻き返しに期待しています。
Effさん
田中投手が正捕手だったときも、ときどきオープン戦でマスクをかぶっており
当時から遜色のないイメージがありました。
大野選手自身も「大場さん以外の投手をリードできなかったのが課題」と痛感。
ご指摘通り力のあるピッチャーをどうやって勝たせていくのか?
来年こそが大野選手の真価が問われるシーズンなのかもしれませんね。
投稿者 矢島 : 2007年11月05日 00:55
