2007年10月28日

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野球の厳しさ味わった総合技術

<高校野球・秋季中国大会:下関商7×-6総合技術>◇26日◇1回戦2試合◇広島市民
 来春センバツの重要な資料となる秋季中国大会が27日、広島で開幕した。優勝候補の呼び声高かった地元・総合技術(広島)が初戦で姿を消した。

 「これが高校野球ですよ」。小田浩監督(43)の言葉がすべてを物語っていた。総合技術は6-2で下関商(山口)を4点リードして9回裏の守りについた。初めて臨んだ中国大会で勝利は目前だった。

 05年に誕生した三原市にある県立高校。小田監督は開校と同時に野球部の監督に就任した。西条農(広島)を91、93年と2度甲子園に導いた実績がある。創部3年目ながら、今夏は県大会決勝で広陵(広島)と延長戦を戦い総合技術の名を轟かせた。その約2カ月後、秋季県大会でエース左腕・内大和(2年)が甲子園準優勝メンバーが残る広陵を1失点に抑えてリベンジ。さらに準決勝ではサヨナラ2ランで高陽東(広島)を倒し、その勢いのままチームは初優勝した。ミラクルと呼ばれた夏から続く快進撃。もちろん今大会も優勝候補の筆頭にあげられていた。

 1回戦突破まで、あと1死。先発の内は4回を除いて毎回ランナーを背負いながら、何度も凌いできた。1点差だった6回1死満塁のピンチでは連続空振り三振。9回裏も2死満塁のピンチを招いたが、ここまで11個の三振を積み上げたように踏ん張れるはずだった。

 「気持ちは負けていなかった。でも、もしかしたら力んでいたのかもしれない」。5番・島田拓(2年)に左前へ運ばれ2点差。続く藤田貴志(2年)の打球は中堅手・古田大貴(2年)の正面へ痛烈に飛んでいった。中直で試合終了と思いきや古田が芝に足をとられてバランスを崩し同点の三塁打になった。最後は右前へ運ばれてサヨナラ負け。

 「最後は自信のあるストレートでいった。抑えられるだろうと思っていた。でも、ストレート一辺倒になったから打たれたんだと思う」。サヨナラ負け、しかもセンバツ出場が絶望的という現実の中、内だけはうなだれるナインのなかで毅然としていた。

 「ある意味うちらしい負け方でした。9回に何もできなかった監督の責任です」(小田監督)。

 急成長を刻んだ07年。野球の厳しさを教えてくれる締めくくりになった。

October 28, 2007 07:08 AM | コメント (6)

2007年10月20日

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東洋大連覇のもう1人のヒーロー

 東洋大が春に続いて秋も東都大学リーグを制した。MVP右腕・大場の影には女房役・大野奨太捕手(3年=岐阜総合学園)の好リードがあった。

 文句なしの満票でのベストナイン獲得。この吉報に仲間との記念撮影ではしゃいでいた大野が目を丸くした。「本当ですか? 春はなんかこう納得できなかったですし、ちょっと狙っていたのでうれしいです」。

 今春から正捕手に抜てきされ、春もベストナインを獲得した。しかし、青学大の小池翔大捕手(1年=常総学院)と票数は同じだった。受賞に変わりはないものの、自分のなかではどこか格好がつかなかった。

 昨年の正捕手、田中大輔は中日に希望枠で入団。その後釜として試合経験の少ない自分が、大場翔太投手(4年=八千代松陰)という大エースをリードすることにもプレッシャーを感じていた。だが、春の開幕前に大場は「捕手に関しては心配いりません。いいのがいますから!」と大きな信頼を寄せていた。その話を大野にふると「自分なんか…。すべて大場さんのおかげですから」と謙遜するばかり。それでもこの秋はチームタイの4本塁打を放つ活躍。印象に残っているのが後のない国学院大3回戦、1点リードで迎えた9回に放った貴重な2ランだ。開幕カードということもあってチームが最も気を引き締めて挑んだ試合だった。

 「4本塁打はできすぎで自分でもびっくりです。でも、春よりも楽に打席に入れていることは確かです」。大学選手権出場、日米大学野球にも大場とともに出場した。全国やアメリカの打者を相手にいつも以上に配球面に気を使い、また、夢中になると周りが見えなくなりがちな大場の性格も考えた。巨人・藤本茂喜スカウトは「春はがむしゃらな投球が多かったけど、秋は安心して最後まで見ていられる。そういうピッチングをしている」とバッテリーの成長を評価。さらに、春優勝のときは褒めてくれなかった高橋昭雄監督(59)が目じりを下げながら話した。

 「(V2の立役者は)大場でしょう。あとはキャッチャーの大野ね。この子のレベルが大場に近づいたのが大きい。大場のいいところをもっと引き出してやろうと考えていた」。

 創部初の春秋連覇の快挙。そして、もう1人の“ショウタ”がひと皮向けた秋だった。

 ◆大野奨太(おおの・しょうた)1987年(昭62)1月13日生まれ。岐阜県大垣市出身。小学3年のときに荒崎少年団で野球を始める。中学では西濃ボーイズに所属し、三塁手。岐阜総合学園入学後、強肩を買われて1年秋から捕手に転向。2、3年の夏の岐阜県大会はいずれも準優勝に終わり甲子園の土は踏めなかった。東洋大では1年春からベンチ入りし、今春から正捕手。打席に入る際、ヘルメットを脱ぐ仕草が印象的だ。176センチ、75キロ。右投げ右打ち。

October 20, 2007 07:40 AM | コメント (4)

2007年10月13日

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千葉・東総工に杉山あり!

 秋の千葉県大会で大暴れした東総工の「3番捕手」杉山翔大(2年)。彼の活躍が2回戦止まりだったチームを創部初の4強へと導いた。

 帽子のツバには“豪打炸裂。目指せプロ!”と大きく書かれていた。文字通り21打数16安打と8割近い打率を残した。打席に入ると控え部員のメガホンが一際大きく揺れる。相手捕手も1、2球分ほどミットを外角に移動して構えてしまう。大会後半は敬遠されるシーンが目立った。

 「春が良くて天狗になった。そうしたら夏絶不調になってしまい…」。天狗になったのは今年の春に2試合連続本塁打を放って注目を浴びるようになったから。これがきっかけで杉山の名も広まった。だが、夏は打ちにいきたい気持ちが空回りしたという。猛反省の夏休みを過ごしたなかで、引っ張りがかっていた打撃フォームをセンター方向へ押し出すように変更。以来、好調でそのまま県大会に臨むことができた。

 打席では燃えるタイプと言うが、それが空回りしないところが成長した証しだ。目で追っていると、立ったり座ったり一塁ランナーを何度も刺したり敵・味方への目配りが実に冴えている。当然自分のプレーも怠ってはいない。プロのスカウトは「走塁の意識も高く、選球眼もいいね」と熱い視線を注ぐ。プレーの随所から十分主将らしいところも伝わってくる。

 杉山の魅力は打撃だけでなく、肩の強さにもある。二塁送球の自己ベストが1・75秒と高校生離れした記録を持つ。ただ、県船橋戦の送球は2秒台だった。雨というコンディションのせいかと思ったが、明確な理由があった。

 「今は速さよりもコントロール、正確性をテーマにしているんです」。実戦のなかでレベルアップを目指そうという姿勢も評価できる。

 チームはこの1年間で次々と部の歴史を塗り替えてきた。春季県大会は準決勝でセンバツ出場した千葉経済大付に1点差で敗れたものの堂々の4強入り。この夏も前年に記録した最高戦績を上回る8強に進出した。杉山は3季すべての記録更新の瞬間を味わった。今秋の関東大会出場は逃したが、マスク越しに広がるプロを夢見ながら、甲子園初出場の偉業を目指す。

 ◆杉山翔大(すぎやま・しょうた)1991年(平3)2月10日生まれ。千葉県出身。小学3年のとき旭中央サンチャイルドで野球を始める。旭市立第二中では軟式野球部に所属。高校入学と同時に強肩を見込まれて三塁手から捕手に転向し、1年夏から正捕手に抜擢される。印象に残っている試合は「勝ちに行く気だったのにコールド負けに終わったから」という理由で唐川侑己のいた成田との一戦。173センチ、75キロ。右投げ右打ち。

October 13, 2007 06:46 AM | コメント (7)

2007年10月04日

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39人が夢をつかんだ

 3日、高校生ドラフト会議が行われ39人が夢だったプロとの交渉権を得た。未来の球界を背負う平成生まれたち。最初の1巡目指名はBIG3のみという前評判通りのスタートとなった。

 地元の逸材を引き当てたのがロッテ。12球団OKと話していた唐川侑己(成田)だが、パ・リーグ思考が強かったため望みが叶ったと言える。千葉県からはライバル4人が指名を受けた。唐川と同じパ・リーグには市船橋(千葉)から岩崎翔と山崎正貴の本格派右腕コンビの姿が。2人は「今は足元にも及ばないが、いずれは逆の立場になりたい」と力強く話していた。また、日本ハムが交渉権を獲得した中田翔(大阪桐蔭)とともに大阪を賑わせた植松優友(金光大阪)、石田隆司(東海大仰星)もやはりパ・リーグ。昨年の田中将大(楽天)につづき、さらなる盛り上がりを予感させる。

 佐藤由規(仙台育英)を逃した楽天が外れ1位に指名したのが寺田龍平(札幌南)。当日のスポーツ紙4紙の予想を見事に裏切る指名だった。夏の南北海道大会敗戦後、大粒の涙が流れるばかりで声は今にも消え入りそうだった。が、進路の話になるとはっきり「プロしか考えていません」と断言。毎年現役で東大合格者を出している道内屈指の進学校。入団が決まれば同校2人目のプロ野球選手になる。

 最多6人を指名した日本ハム。格別な思いを噛み締めているのが北陸のドクターK・豊島明好(北陸大谷)。中学時代に両親を病気で亡くし、高校では菊池信行監督の自宅に下宿していた。天国の両親に捧げるプロ入りとなり、1年でも長く活躍してもらいたい。

 四国からは捕手の伊藤光(明徳義塾)と中田祥多(鳴門工)の2人が歓喜。伊藤は全国大会こそ出場はないが、二塁送球の自己ベストが1・85秒という強肩で早くからプロ一本に絞っていた。馬淵史郎監督は「指名の可能性は50%くらい」と話していたがオリックス3巡目で吉報が届いた。「入ったチームの正捕手の選手に近づけるように学んでいきたい」と意欲十分だ。

 ドラフト前日にリーグ優勝を決めた巨人は4巡目で左腕・竹嶋祐貴(滑川)を指名。この日は中継も見ずに後輩に混ざって紅白戦に出場していたという野球小僧っぷり。中央球界では無名だが、キレのあるストレートは最速144キロをマーク。将来が楽しみだ。

October 4, 2007 08:07 AM | コメント (8)