2007年04月30日

ノートノート

元気です!ハンカチ世代

 ハンカチ世代が元気だ。プロ野球では史上初となる高卒ルーキー3人が先発デビューを果たした。アマチュア球界も29日に早大・斎藤佑樹(1年)が2勝目をマーク。そして、全国各地でルーキーたちがその実力の片鱗を見せつけている。

<投手編>
 いきなり神宮球場で153キロを出したのが国学大の村松伸哉(1年)だ。初回に150キロ台を2度計測。ネット裏のスカウトたちも慌ててスピードガンを手にしていた。光星学院(青森)では控えに甘んじていたが大学に来て球が速くなったという。「153キロはびっくりですけどスピードよりキレを重視したいです」と謙虚だ。同じ青森県からは青森山田出身の日大・野田雄大(1年)も初勝利をあげている。

 愛知学院大では東濃実(岐阜)の小川優(1年)が早くも3勝。開幕から2試合連続完封勝利と安定感が光る。ライバルの中京大でも豊田西(愛知)の上杉芳貴(1年)が2勝しており、予定通りいけば5月13日に直接対決が見られるかもしれない。

 関西では神戸学院大の左腕・飛石欣也(1年)。東洋大姫路(兵庫)では背番号11だったが開幕から2連勝だ。関西6大学の甲子園組では福知山成美(京都)のエースだった駒谷謙(1年)も京都産大で経験を積んでいる。

<野手編>
 鮮烈デビューは慶大の青山寛史(1年)。途中出場ながら初打席2ランを放った。関西学院(兵庫)から神宮でプレーすることに憧れ一般入試で入部した。同様に青学大の小池翔大(1年)も満塁ホームランデビューだった。常総学院(茨城)から評判の強肩でマスクもかぶる。

 名門・東北福祉大でいきなり5番に座っているのが平安(京都)の平野和樹(1年)。開幕戦で3安打デビューを飾り、ここまで全試合出場している。関西でルーキーが光るのが関西学生の関大と関西6大学の大阪学院大だ。関大は履正社(大阪)の蛯子大輔(1年)、明徳義塾(高知)の永松泰典(1年)を抜擢。大阪学院大はスタメン6人が1年生というフレッシュぶりだ。

 全国大会常連の神奈川リーグの関東学院大は1番に波佐見(長崎)出身の川頭了(1年)、2番に駒大苫小牧(北海道)出身の三木悠也(1年)を起用し、5季連続優勝を視野に入れている。

April 30, 2007 05:34 PM | コメント (7)

2007年04月26日

ノート

法大カメガイを見てください!

 「3番、ライト、亀谷くん、背番号37」。昨年から主力野手5人が抜けた法大。その主軸に抜擢されたのが亀谷信吾(2年)。リーグ戦経験ゼロの男が神宮を駆け回った。

 亀谷と書いてカメガイと読む。この変わった呼び方で思い出すことがある。中京大中京(愛知)がエース・小椋健太(中京大3年)を擁して8強に進出した3年前の甲子園。亀谷はチームの3番打者として愛知県大会で4割超の打率を残していた。しかし、甲子園のスタメンで名前をコールされることは1度もなかった。

 開幕3日前、突然の発熱で緊急入院を余儀なくされていたからだ。準々決勝からベンチに戻ったが、“亀谷を試合に”を合言葉にしてきたチームは敗退。翌年の夏も県大会4回戦でコールド負けを喫し、結局1度も甲子園の土を踏むことはできなかった。法大に進学してからも亀谷の名を聞く機会はなかった。なぜなら、リーグ戦はおろか昨年2度あった新人戦にも出場していないからだ。

 そんなある日、中京大中京の大藤敏行監督(45)を取材中、カメガイ選手の名前が偶然、出た。

 「そういえば法政に亀谷っているんだけど知ってる?リーグ戦出てないんだけど、人間性が抜群だからぜひ話してみてほしい」。

 同じ頃、この会話を聞いていたかのように亀谷はオープン戦で結果を残していた。そして先週の立大戦で神宮デビューを果たす。初打席は無死一、二塁のチャンス。ベンチのサインに頷き、初球を送りバント。これが絶妙に勢いを殺し、亀谷は一塁へヘッドスライディングしセーフになった。高校通算33本塁打の強打者が結果的にバント安打という器用な一面を見せた。第3打席でも一、二塁間を抜ける適時打を放ち4打数2安打1打点の上々のデビューだった。

 試合後、お立ち台に選ばれたのは別の選手で話を聞くことはできなかった。だが、右翼のポジションまで行きも帰りもとにかく全力疾走。打順が回ってこないイニングも同じように走る姿を見て、亀谷の人間性を少しだけ垣間見れたような気がした。いつか、絶対に取材してみたい。

 ◆亀谷信吾(かめがい・しんご)1987年(昭62)5月27日生まれ。愛知県出身。中京大中京では2年夏に愛知県大会で3番に座りながらも、甲子園では体調不良で試合出場なし。チームは8強進出。3年夏は4回戦で豊田西に敗退した。法大入学後、今春が初のリーグ戦出場になる。背番号37。175センチ、75キロ。右投げ左打ち。

April 26, 2007 04:33 PM | コメント (11)

2007年04月22日

おまけ

もっと東京6大学を取材したい!

 あややがハンカチおやじに訴えました。「もっと6大学を取材したい」と。佑ちゃんの入学で盛り上がるリーグ戦の陰で、厳しい取材規制が設けられたとか。ひまつぶしに「おまけ」でも読んでみてください。

 ハンカチおやじ 「アマチュア野球ファンの皆さん、お久しぶりです。去年の都市対抗以来の登場になります。相方のあややと今年も楽しく野球を見たいと思います。よろしくお付き合いください」

 あやや 「随分長いこと冬眠してましたねえ。もう佑ちゃんは大学生。神宮で初勝利も挙げましたよ」

 ハンカチおやじ 「それくらい知ってますよ。毎日、ニッカンスポーツコムと日刊スポーツでチェックしてるからね。それから6大学はテレビ中継も始まったし」

 あやや 「球場に行かなきゃダメですよ。家でゴロゴロしながらテレビ観てるだけじゃあ、メタボリック症候群になります!」

 ハンカチおやじ 「じゃあ、たまには神宮に取材に行こうかな」

 あやや 「それが、すごーく取材しずらくなったんです」

 ハンカチおやじ 「エっ、何があったの?」

 あやや 「まず専用の取材パスがないと入れません。私のようにフリーの立場で取材する場合はチケットを買って入らなければならないんです」

 ハンカチおやじ 「そりゃ、かわいそうに。あややはボンビーだからなあ。でも、入場券を買わせて取材させるなんて聞いたことがないぞ。大リーグだって、臨時記者席とか作ってちゃんと席を用意してくれる。もちろん日本のプロ野球だって、報道陣は大事にしてくれるよ」

 あやや 「ボンビーは余分です。それだけじゃないんです。試合後の取材も限られた選手しか取材できないんです。今までは自由に話を聞けたのに、これじゃ仕事になりません」

 ハンカチおやじ 「うーん。佑ちゃん人気でせっかく注目されているのに、これじゃ逆効果だな」

 あやや 「そうですよ。佑ちゃんは全然悪くないのに、これじゃあ、悪者にされちゃいますよ」

 ハンカチおやじ 「うん。佑ちゃんに罪はない。過剰な規制はよくないね。何事も『ほどほどに』がオレは好きだな」

 あやや 「何が『ほどほどに』ですか。お酒はいっぱい飲むくせにぃ!」

 ハンカチおやじ 「僕へのお説教も、ほどほどにぃ!」

April 22, 2007 05:14 PM | コメント (14)

2007年04月19日

ノート

Summer is coming soon

 春季神奈川県大会、日大藤沢(神奈川)は初戦を2-1で辛勝した。第1打席でいきなり三塁打を放ったのが核弾頭・長谷川雅宜(3年)。夏の甲子園を目指し、再びスタートを切っていた。

 3月25日、センバツ初戦を前に長谷川はわくわくしていた。2日前に頭を5厘刈りにし「とりあえず吠えたい。そして打って相手をビビらせたい」と気合い十分。最初の打席は三飛だったが、猛ダッシュでベンチへ帰っていく姿にスタンドが釘付けに。試合は始まったばかりなのに、すでにユニホームは泥だらけだった。

 とにかく日ごろからユーモアたっぷりだ。“あこがれの人は?”の問いに金八先生、鬼塚英吉、桜木花道などの熱い人物が並ぶ。野球選手でいえば新庄剛志(元日本ハム)、森本稀哲(日本ハム)といったガッツのあるムードメーカーが好きだという。長谷川の取材にはいつも報道陣の笑いがあり、どことなく“頑張ってほしいなあ”と応援したくなる人間性を持っている。

 チームは何度もピンチを作った。故障で本調子ではないエースの古谷真紘(3年)は毎回のように先頭打者を許していた。その度に長谷川は左翼から内野ラインぎりぎりまで走ってきて、声をかけ続けた。
 「これが僕の仕事なんです。内野手たちにも声をかけていこうと叫んでいました」。激励する声が一塁側ベンチ後方まで聞こえていた。

 しかし、同点でむかえた9回裏、長谷川が無心で追いかけていった打球が左翼ポールに直撃し、春の終わりを告げた。「当たったなあ、と。何が起こったのか…。意味がわからなかった」。悔し涙が止まらず、敗戦という現実をなかなか受け入れられないようにも見えた。が、突然声を大にして言った。

 「勝つことをやり残した。(夏の神奈川を)這い上がってきます。絶対戻ってきます!」。他の選手に取材をしていた報道陣もびっくりするほどだった。その誓いへむけ、まずは第1関門・夏のシード権を確保した。
  ◆長谷川雅宜(はせがわ・まさのり)1989年(平元)9月26日生まれ。神奈川県出身。小学3年のときに野球を始め、新町中学では軟式野球部に所属。日大藤沢入学後1年秋からレギュラーに。172センチ、70キロ。右投げ左打ち。本人いわく「派手な性格だけど泣き虫なんです」。

April 19, 2007 06:57 AM | コメント (10)

2007年04月12日

ノート

東洋大・大場に注目

 今年の大学球界にもプロ注目と呼ばれる選手が数多くいる。10日に開幕した東都大学リーグでは東洋大の大場翔太(4年)がその筆頭候補だろう。全国舞台を踏めなかった八千代松陰(千葉)時代の無念を、ラストイヤーにぶつけるつもりでいる。

 最速151キロの本格派右腕として注目を浴びているが、昨年1年間は苦しんだ。「春に限って言えば、スピードを気にしていた」。
 
 確かにそうだった。当時、本人は「気にしていないです」と否定していたものの、スピード表示を確認するような仕草がたびたび見られた。そこで大場は151キロを出したのだが、3勝2敗と結果は伴わなかった。ある打者は「速いけど決して打ちにくいボールではない」と証言している。

 しかし、当の本人は「ビデオを見てもどこが悪かったのかさっぱり」らしい。油断やスキを見せるのが嫌いだという大場にとっては屈辱的だった。気づいたのは秋になってから。夏の間に修正したフォームと見比べて「春のフォームはバランスが最悪。明らかに力みすぎ」と自分でも信じられなかった。

 開幕から2連敗と出鼻を挫かれた秋だが、駒大戦では中盤まで無安打に抑え8回に149キロも出した。「手がつけられないくらい良かった。疲れも全然なかった」と本人も納得の投球。投球回数が春より約20イニングも増えて信頼を取り戻した。11月に行われたインターコンチネンタル杯では苦しかった1年を振り返りながらマウンドに立ったという。がむしゃらにやった結果、151キロを3度も計測。嬉しかったが、現在は今までほどスピードにこだわりは持っていない。

 「球筋。球筋あってのキレ。そっちをより一層良くなるように考えている」。この冬の練習はそちらに力を入れてきた。今までにないくらい状態は良いという。

 「良いとき、悪いときの自分がわかり、(マウンド上で)気持ちが一方通行にならないと思います。この3年間の経験で“引き出し”が増えた分、今年はそれを使っていきたい」。

 来週17日の専大戦、大場の集大成の1年が幕を開ける。

 ◆大場翔太(おおば・しょうた)1985年(昭60)6月27日生まれ。東京都出身。小学3年のときに西保コンドルで野球を始める。足立十四中では軟式野球部に所属。八千代松陰では3年春に千葉県大会で優勝したが夏は8強止まり。スライダー、カーブ、フォークも武器とする。リーグ通算16勝9敗。182センチ、79キロ。右投げ右打ち

April 12, 2007 03:34 PM | コメント (12)

2007年04月05日

ノート

自分たちの野球貫いた常葉菊川

 5試合でたった1犠打。さぞかし強力な打者がそろっているのかと思えばチーム打率は2割4分3厘。決して高いとは言えないが、数字にはあらわれない集中打と堅守で常葉学園菊川(静岡)が頂点に立った。

 ふり返れば手ごわい相手ばかりだった。初戦で大会屈指の好投手・佐藤由規(3年)の仙台育英(宮城)を投手戦の末に敗った。つづく2回戦では攻守にレベルの高い今治西(愛媛)。準々決勝では超強力打線の大阪桐蔭に逆転勝ち。エース・田中健二朗(3年)が、前の試合2本塁打の中田翔(3年)を4打席無安打に抑え込んだ。準決勝、豪快な野球から相手はち密な機動力をいかした野球の熊本工に。このように試合ごとに対戦相手のチームカラーはがらりと変わっていった。それでも自分たちの野球を貫き通した。

 もう1つは、単純にチームの調子が絶好調だったこと。3月10日の練習試合解禁以来、愛工大名電(愛知)、東邦(愛知)などの強豪相手に8戦全勝で甲子園に乗り込んでいた。ピークを甲子園に持ってきた森下知幸監督(46)の手腕も見事だ。

 「どこからでもチャンスを作れて、予想以上に打線に切れ目がなかった。田中投手はインコースの使い方が上手かった」。

 常葉菊川の強さを熊本工の選手はこう分析していた。確かに中田と対決したときも田中はインコースで真っ向勝負し、結果的に3飛球に打ち取っている。田中と戸狩聡希(2年)の左腕2人をリードした石岡諒哉(3年)の存在も大きかった。今大会711球を受けたがボールを後ろに逸らしたのは1球だけ。二塁送球タイムは2秒を切り、今大会も3つの盗塁を刺した強肩だ。失策はチーム全体で7つだったが、得点に絡んだのは1失策のみ。三塁手の前田隆一(2年)はゼロだった。大垣日大(岐阜)との決勝戦でも難しいゴロを何度もさばき、慌てることなく送球。

 スター選手は不在、派手さも無いが、堅実という言葉がぴたりと当てはまるのが常葉菊川だ。

 試合中、黄緑色のメガホンが揺れるアルプス席からFLOWが歌う「ドリームエクスプレス」の応援が流れてくる。文字通り、ナインは頂点という終着駅に辿り着いたのだった。

April 5, 2007 08:00 AM | コメント (6)