2006年11月13日

ノート

旭川南・小池監督の笑顔が見たかった

 いつも目じりを下げながら穏やかに語る旭川南・小池啓之監督(54)。しかし、今日は眉間にしわを寄せっぱなしだった。「ベンチで試合を見ていて、こんなつまらない試合は初めてでした」。7~9回まで7者連続を含む16奪三振を喫した。自慢の走塁も随所で空回りし、盗塁も2度失敗。攻撃面のミスが目立ったようにも見えるが、敗因は違った。「いや、今日はピッチャーでしょ。昨日の練習でもすごく調子が良かったのに。今日神宮に来たら腕は振れてないし、気負っていた」。立ち尽くすエース・浅沼寿紀(2年)を目の前に言い切った。浅沼は表情を変えぬまま、じっと監督を見つめていた。

 「立ち上がりが悪くてそのまま引きずってしまった。いつもは修正できるけど、雰囲気に飲まれた」。武器のカーブが決まらず、序盤から制球に苦しんだ。6失点のうち5失点を2死から失い、どことなく集中力も持続できず。敗退後、涙こそなかったが「精神面の弱い泣き虫だった」入学当初に戻ってしまった。「全道大会のときはこの子たちすごいなーと見ていたけど全国に来てやっぱり子供だなと思いました」。

 小池監督と浅沼はトレーニングと精神面強化のために毎朝10キロのランニングを日課としている。もちろん神宮大会出場が決まった翌日も走った。3年前、腸間膜静脈血栓症で手術・入院し今も薬が手放せない生活を送っている小池監督。報道陣の取材に座って対応することも少なくない。それでも、自分の体より子供たちのために全力を注いできた。

 全道大会決勝進出前のことだ。「この子たち本当にいい子たちばかりなんだよ。例えばね、宿泊先で汚れを見つけてホテルの人にブラシを借りに行ったらしい。そのことをあとで褒められたんだ。知らなかったから驚いちゃった。父兄もいい人たちばかり。自慢みたいになっちゃったけどだから行かせてあげたいんだよね、甲子園」。小池監督は今のチームが好きでたまらない。

 今日の表情からは悔しさというよりも今までの成果を発揮できなかった寂しさも表しているように見えた。それを間近で見た浅沼。「初心に戻って出直します」来春、小池監督の笑顔を甲子園で咲かせてほしい。それが一番の薬でもあるはずだ。

November 13, 2006 10:06 AM


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