2006年12月27日
不快?不便?車内携帯:寺沢卓
よく行く酒場で常連のオヤジとこんな話になった。「なんで携帯電話は電車内で使っちゃいけないのかな」。
そんなの簡単……と思ったが、本質的な理由が見当たらないことに気付いた。ペースメーカー利用者に影響が出るため、生命にかかわることなのでダメ。これは分かるのだが、車両端の電源を切るエリア以外で通話はできないのだろうか?
社会的にいけない行為だろう! 説得力に欠ける。ならば、大声で酔っぱらいが上司の悪口をグチグチとぶつけ合っている方が、よっぽど醜悪。即座に下車してもらいたい。
電話での会話は許されない行為なのに、携帯電話でのメール通信、パソコンでの作業、携帯型ゲーム機を使用することは容認されている。これだって電波を発するだろう。通話と同じ弊害があって当然でしょ?
何が違うのか。あるとするならばそれは耳に聞こえる音である。会話の全体像を理解できるかどうか、それが重要ポイント。酔っぱらいのたわごとにしても、同じ話ばかり繰り返すおばちゃんらも、ズボンを下げてやる気のなさそうなしゃべり方をする20代も、会話が成立していて、どんなことをしゃべっているか認識できることが最小限の安心感をもたらすのだと思う。
対して、携帯電話での会話は相手が目の前にいないため、電車内で会話の全容を知りうるのは、車内で会話している本人しかいない。よって、何をしゃべっているのか分からないことがストレスになる可能性は否定できない。実際に、通常の会話より迷惑に感じるという調査結果も米国にはあるようだ。理解不能な会話の垂れ流しが不快の原因の1つといえそうだ。
また、うがった見方かもしれないが、車内での通信環境を保てないがゆえに、電鉄会社側が車内通話を悪にしてるようにも思える。つくばエクスプレスは別として、移動中の電車内で電波を維持することは至難の業だ。新幹線などはトンネルに突入するたびに回線が切れる。ちょっとした愚痴になるが、車内から記事を送れず、途中下車したことは数知れない。電車内で電波が切れることなく通話できるようにする設備投資を惜しんでいる金銭的な事情もある?
電車に乗っている最中に重要な電話がかかってくる。でも、現状では会話することはできずに周囲に気を使いながら「今、電車なのでスミマセン」。効率が悪すぎる。
ここで提案したい。痴漢行為防止の女性専用車両があるのだから、通話可能な車両を期間限定で運行してみてはどうか。JR東日本本社広報室に聞いたが「そのようなことを企画する予定は残念ながらありません」とのこと。もうちょっと車内サービスを考えてもいいんじゃないですか?
酒場に戻る。常連のオヤジは真っ赤な顔でさらにいう。「タバコ好きにとっては居心地の悪い世の中なのよ。灰皿だらけの喫煙車両もつくるべ。肺がんで死んでもいいし、いすもいらないからさ」。まあ、それもいいのかな。
December 27, 2006 11:05 AM
