記者コラム「見た 聞いた 思った」

2006年12月24日

2連戦ならではの妙:沢畠功二

 タイトルは思い出せないが(情けない…)、高校時代に現代文の授業で「清岡卓行」の作品が教材として登場した。知る人ぞ知る「猛打賞」(1試合3安打以上)の発案者。今年6月、享年83にして亡くなったが、プロ野球公式戦の日程の礎を築いたことは、意外と知られていない。日程編成に携わるベテラン球界関係者が教えてくれた。

 某関係者 プロ野球ってのは、3連戦でうまく回るようにできている。確か1951年ぐらい…ちょうど2リーグ制になったころかな。当時セ・リーグに勤務していた清岡さんが3連戦を定着させたんだよ。大リーグの日程を研究したら、1カード3連戦を基本としていることに気付いたらしくてね。よくできたシステムだと思うよ。ファンだって1勝1敗だったら、勝ち越しを期待して見に来るだろうし、2連敗なら一矢報いるシーンを見たいじゃない。でも来年の交流戦は2連戦でしょう。調子良いチームと悪いチームの差が出ちゃうだろうね。

 公式戦は3連戦、また2連戦を軸に組まれている。連敗の可能性がある2連戦に慎重となる首脳陣は多い。3連戦なら、2連敗しても、3戦目さえ落とさなければいい。だが2連戦は、そうはいかない。仮に首位との直接対決で連敗したら、一気に2ゲーム開いてしまうからだ。

 どうして2連戦になったのか。巨人、阪神戦を増やしたいセ、手放したくないパによる利益の奪い合い。セは今季の半減の18試合、パは現状維持の36試合を主張したが折り合わず、落としどころは中間の24試合だった。ホーム2試合、ビジター2試合を12カード繰り返していく。そこに落とし穴が待っている。昨年は中日、今年は巨人と失速したが、来季はもっと顕著になるだろう。05、06年のセ、パ全カードの勝敗を記録部に調べてもらうと、以下のデータが浮き彫りとなった。

 【3連戦での3勝0敗】
▼05年 62回(217カード)
▼06年 50回(206カード)

 【3連戦での2勝1敗】
▼05年 143回
▼06年 145回

 【2連戦での2勝0敗】
▼05年 44回(89カード)
▼06年 42回(95カード)

 【2連戦での1勝1敗】
▼05年 40回
▼06年 47回

 2連戦だと半分近くは連勝、連敗となってしまう。この数字をもとに、現場の選手、コーチ数人にどんな意識を持っているのかを聞いてみた。

 Aコーチ 確かに2連戦の頭はとりたいね。もちろん力のある投手を分散できればベスト。3連戦なら火曜日、金曜日に主力投手を先発させたけど、この日程ではそうはいかないね。

 B投手 2連戦でも3連戦でも初戦が大事なのは一緒。そんなに変わらないと思いますよ。

 総じて選手より慎重なのは首脳陣だった。いかに初戦をモノにできるかで精神的に違ってくるはずだ。3年目にして縮小された交流戦。どこが笑い、どこが泣くのか。2連戦ならではの妙が、シーズンを左右する気がしてならない。

December 24, 2006 12:17 PM