記者コラム「見た 聞いた 思った」

2006年11月04日

日本ハムの熱気これからも:沢畠功二

 日本シリーズ取材での札幌滞在中、日本ハム快進撃の雰囲気を肌で感じようと街をひたすら歩いた。朝はジョギングがてら北大や中島公園を、昼はススキノ、大通公園、駅付近を散歩した。目に付いたのは、札幌ドームへ向かう地下鉄内での女性の多さ。女子高生など若い世代はもちろんだが、ご婦人方をよく見かけた。ひいき選手のユニホーム、スタジアムジャンパーなどを着込み、メガホン持って応援に行くのである。

 一般的に娯楽がないからとは言うが、女性の興味を引くのは難しい。理由は言うまでもない。新庄だ。市内在住のファンに聞くと、夫人の熱狂ぶりを説明してくれた。「うちの女房がシンジョー、シンジョーって、そりゃあ~もう~すごいよ。とにかく球場に行きたいって。雰囲気を味わいたいんでしょう。魅力? やっぱりカッコいいからみたいだよ。コマーシャル出たりしているもんね。女房の年? 私と同じ65歳ですよ。ハハハ」。恐れ入った。

 とにかく異様な盛り上がりだった。地元放送局での昼、夜ニュースではトップ扱い。日本シリーズでの勝利数と同じだけ、1人前のドリンク無料という飲食店もあった。ホテルは軒並み満室。優勝を決めた第5戦、北海道地区での第5戦の平均視聴率は52・5%と驚異の数字をはじき出した。テレビ観戦する道民が増えるため、パチンコ店の客足は鈍ったという。歓楽街ススキノでは、「出血大サービス」の大幅割引で客引きに必死だったことも付け加えておく。

 もちろんグラウンドにも、道民の熱気が凝縮されていた。テレビ中継を見ていた人なら、1度は画面の揺れを体験したのではないだろうか。稲葉が打席に入ると、ファンが一斉にピョンピョン跳びはねる。まさか冗談だろうと思ったが、ネット裏にある記者席が本当に揺れていた。それもそのはず「震度3」に相当するという。

 まるでライブ会場のような一体感に感心していたのが、横浜のエース三浦大輔投手(32)だ。

 三浦 野球のファン離れと言われてますけど、決してそんなことはないと思いますよ。こういう中で試合したいな、投げたいなとあらためて思いましたね。球団、フロント、選手、地元と一体となって、やればできるんだなというのをファイターズが証明していると思います。打席に入る打者によってスタンドの雰囲気が変わるのを感じましたよね。新庄さんなら新庄さんの雰囲気を球場がつくっていると思いますし、小笠原が入れば小笠原の雰囲気が出るし、(森本)稀哲が入れば稀哲の雰囲気を球場全体が作り出していると感じましたよね。

 一流投手らしく「空気」を敏感に感じ取っていた。そしてハマの番長は心底、球場の一体感がうらやましそうだった。女性、子供をいかに取り込むかは、集客を含めたビジネスのカギを握っている。今季限りで引退する新庄が道内にまいた種。来年以降にも芽は出るだろうか。今が最盛期であってほしくない。

November 4, 2006 09:26 AM