2006年11月01日
お手軽な外国人監督:松井清員
オリックスの新監督にドジャース育成部長のコリンズ氏が就任した。これで現時点での外国人監督は日本ハムのヒルマン、ロッテのバレンタイン、広島のブラウンの計4人。12球団で見れば3分の1、パでは2分の1が外国人指揮官ということになる。この4人を除く過去の米球界出身の外国人監督は、広島のルーツ、南海と阪神で指揮を執ったブレイザー、そしてオリックス・レオンの3人しかいない。サッカー界でもジーコからオシムにバトンは受け継がれたが、日本球界も外国人監督の全盛時代だ。
日本ハム 2642425365→535<1>=ヒルマン
ロッテ 2456656655→2=第1次バレンタイン
ロッテ 56645544→4<1>4=第2次バレンタイン
広島 3355545556→5=ブラウン
オリックス 2334466645→? =コリンズ
外国人監督を招へいする球団には共通した特徴がある。上の数字は外国人監督が就任する前年まで約10年間の順位と就任後の順位を示している(<>は日本一)。この数字から分かることは、長年Bクラスに低迷しているチームが海外から指揮官を迎えている点。そして外国人監督を迎えたチームはチーム浮上の足がかりをつかんだ、もしくはつかみかけている点だ。メジャーでも昨年、低迷の長かったホワイトソックスもベネズエラ人初の指揮官としてギーエン監督を迎え、88年ぶりの世界一に輝いている。
なぜ外国人監督なのか。オリックスの首脳は「日本人監督の場合、選手起用や采配面で独特のしがらみが出てくる。それらを全部取り払ってチームを作り直して欲しい思いがある」と明かす。チームに根付いた悪い慣習に縛られる場合もあれば、選手より監督の実績が下の場合、遠慮が出る場合もある。本来は大改革しないといけないのに、それらが障壁となって思い切ったチーム作りができないことがある。その点、外国人監督なら私情は抜き。客観的な白紙の視点から、現状にあったベストのチーム作りができるというわけだ。
日本球界としては寂しい現実でもある。カリスマ的な監督の人材不足の裏返しだからだ。日本ではイメージアップや集客を考慮し、看板選手を監督にという風潮が強くある。だが、ほとんど指導者経験のないまま、指揮官に就任する名選手の中には名監督にあらずでチームを弱体化させてしまうこともある。一方で仰木元監督のように選手時代の実績は秀でていなくても、コーチ修業を積んでたたき上げで指導者になった人材は減っているように思う。いわゆる「名将」と呼ばれる人たちの減少だ。
コリンズ監督は現役時代に1度もメジャー経験なくエンゼルスとアストロズの指揮官に就任し、チームを5年連続地区2位に導いた。米国との風土の違いと言えばそれまでだが、日本球界も「監督の育成」を検討すべき段階にきているのではないだろうか。もしコリンズ監督も成功すれば、外国人監督の偏重路線はますます拍車が掛かるだろう。弱かった90年代の阪神も一時期、外国人監督に触手を伸ばしていた。チーム再建には安易でお手軽なのかもしれない。だが4人もの助っ人監督が乱立する今の時代こそ、日本野球の危機を感じるいい機会だと思う。
November 1, 2006 10:46 AM
