記者コラム「見た 聞いた 思った」

2006年10月28日

ハワイ人ビー玉お京:寺沢卓

 15日、ハワイをマグニチュード6・6という激しい地震が襲った。地震発生直後は連絡が取れなかったが、後日、国際電話でオアフ島在住の日本人女性と話すことができた。相楽晴子さん。20年前にフジテレビのドラマ「スケバン刑事2」にレギュラー出演し「ビー玉のお京」役で人気を博した元アイドルだ。

 相楽さん 地震は朝7時ごろで爆睡中でしたね。夢の中で、電車がものすごい勢いで通り過ぎるなぁとウトウトして…ああ、近くに線路なんてないや、と不自然な気持ちになって、大きなトラックかな? と思い直して目を開けたら家全体が揺れていて、ようやく地震と気付きました。

 豪快だ。聞いていて思わず笑ってしまった。

 ハワイはようやく見つけた安住の地という。92年にロサンゼルスで写真集の撮影をし、その際にコーディネーターをしていたゲイリー・ヘインズ氏と知り合って恋に落ちた。遠距離恋愛の末に95年に結婚。当初はロスに住んでいた。英語も十分できす、レストランで注文すら取りにきてくれない差別も受けた。精神的に疲れ切っていた時期だった。

 ようやく生活に慣れてきた01年9月11日、米中枢同時テロが発生した。飛行機に乗るたびに不安がつきまとった。同時テロから2年間悩み抜いて、7年住んだロスを離れ、3年前にオアフ島に引っ越した。サーファーだったゲイリーさんが、かつて3年間住んだお気に入りの島だった。

 それまでハワイを訪れたことはなかったが、いい印象はゼロ。年末年始になると取材されることを分かっていながら「カメラ向けないで」などという芸能人ばかり。ブランド品を買いあさり、ゴルフざんまい。

 ところが住んでみると、近所の住民からも歓迎され、ロスで味わった孤独感はなかった。自然に囲まれていたことや、アウトドア好きな夫の影響ですっかりキャンプ大好き人間になってしまったという。

 地震直後、外に出て家の中を点検すると電気がつかない。停電だ。ハワイでは台所のコンロも電気なので、家の中では何もできなくなってしまった。

 相楽さん キャンプ道具があったから、家の前でご近所さんと一緒にバーベキューで夕ごはんにしたの。電気は全然つかなかったから、そのまま寝ちゃったんですけど、翌朝には復活してました。もし停電が続くようなら海岸にテント出して、魚でも釣って、自生しているバナナやパパイアを食べて、なんとかなるかなぁ~、と思ってましたね。

 電話口ではあるが、自然の中で生活しているたくましさを感じた。同時に心の余裕も伝わってきた。今は夫の仕事を手伝っていて、芸能活動はしていない。南野陽子らとセーラー服で活躍した相楽さんも38歳。日本の政界の黒幕と対決した「ビー玉のお京」は、地震にも動じない立派なハワイ人になっていた。

October 28, 2006 09:22 AM