2006年09月05日
それでも見たいG戦:沢畠功二
休日でも、午後7時をすぎると、不思議とプロ野球中継にチャンネルを合わせてしまう。地上波で巨人戦がないと、BSデジタルの番組欄に目をやる。台湾の新生の姜(ジャン)投手が好投した8月22日の横浜-巨人戦(長野)は、TBS系のBS-iで観戦。デジタル放送で巨人戦を見るようになったのは、昨年ぐらいからだ。
地上波が減りつつある巨人戦。子供たちはどう感じているのだろうか。小3のおいっ子はバッティング練習が大好きなのだが「巨人戦? 見ないよ。学校で野球の話? しないよ」とあっけらかん。拍子抜けした。四六時中、アニメやバラエティーばかり見ている。両親の仕事は野球関係で、小1から少年団に入るなど大の野球好きという小4生も、バラエティー優先だという。もっともこの少年は、圧倒的に球場観戦派。むしろ根っからのファンなのだ。少し安心した。
8月に限れば、主催の15試合こそ日本テレビが中継したが、ビジター(神宮、広島、横浜、長野、甲子園)で3連戦すべてが地上波で生中継されたのは、阪神戦のみだった。それ以外は1試合のみ地上波で、残りはBSデジタルか深夜枠などだった。まるで優勝チームが決定した後のようだ。
理由は単純明快だ。「バラエティーの方が視聴率が取れるからですよ」と、民放局の関係者は当然といった顔で答えた。そしてこう付け加えた。「こんな状態なら来年、もっと地上波は減るんじゃないですか」。ビデオリサーチ社によると、8月の巨人戦ナイター月間視聴率(関東地区)は平均6・8%と、月別集計のある89年以降のワーストを更新した。テレビ局にとっては悲鳴を上げたくなる数字である。
ただ、ふに落ちないこともある。どんなにいい試合でも数字が上がらない。いや、反映されないといった方が適切かもしれない。多チャンネル化で全試合を中継する専門チャンネルへの加入者が増え、特にチーム関係者などは日本テレビ系のCS放送「G+(ジータス)」で視聴しているとも聞く。また1家族が複数のテレビを所有していることや視聴率測定器とは無縁のパソコンでの観戦なども関係しているかもしれない。
巨人戦が減った夏。「そうだった?」と、気にならなかったという声もある。真のファンはスタジアムに行くだろうし、何かしらの形で見ているだろう。ただ、さまざまなことが頭をよぎる。野球中継はどうなってしまうのだろう? 夕食時は娯楽番組だらけなのか? ON(王、長嶋)に熱狂し、KK(桑田、清原)に胸躍らせた世代にとって、つらい時代になってしまうのか。
そして変わるプロ野球のビジネスモデル。巨人戦なら1試合1億円弱といわれる放送権料による収入に依存している球団が多い中、値が下がり続ければ、経営は打撃を受けはしないか。もちろん、そんなこと百も承知で、各球団はあの手この手を考えているに違いない。そう信じよう。あれやこれや考えている今、やはり見たい番組が見当たらず、リモコンボタンを押してばかりいる。
September 5, 2006 10:46 AM
