記者コラム「見た 聞いた 思った」

2006年08月28日

難しい「長く続ける」:藤中栄二

 長く続けるのは難しい。好きでもない物事は特にそうだ。ダイエットのためのジョギング(運動療法)や食事制限。禁煙や食事療法など健康管理上、やらなければならないこと。仕事上で必要になりそうな英語学習、自らのHPで展開し続けるブログ、主婦の方ならば家計簿を書き込むこと…。何を持ってゴールとするのか。その目標を明確にしておかないと、すぐに挫折してしまうものばかりだ。

 長く続ける極意もさまざま。ジョギング→決して無理をしないこと。食事療法→細く長く、少ない量をゆっくり食べる。ブログ→何でも良いから短く書く。英語学習→毎日、少しずつリスニングテープを聴く。家計簿→無理せず、手を抜く。計算違いの端数は目をつぶる-。無理や我慢を強いられない環境でしか、長く続けることができないという結論に到達する。それって極意とは言わないような気がするのだが…。

 長く続ける仕事選びも簡単ではない。社会人になって14年間で6回も転職している友人がいる。理由は会社の方針に疑問を感じ、イライラした末の結論である。会社のグチは社内の人間には言えない。かといって社外の人間には仕事内容を説明するのに時間が必要となって、共感してもらうには時間がかかる。何と言っても自分が納得できなければ前に進むことができない。悩んだ末に「こんな会社はつぶれるから」と辞表を出してきた。

 長く続ける気持ちはあるのだ。先の友人は言う。「結局、辞めたどの会社もつぶれていない(笑い)。やっぱりオレには我慢や忍耐力が足りないのかな…。家庭を守るために頑張るという人もいるけど、独身でも長く同じ会社で働き続ける人もいるわけだし。長く続けるコツとかないものかな」。彼は転職できる実力の持ち主だから、うらやましい。転職にこそ我慢や忍耐力が必要で、転職なんて考えない。同じ会社で仕事を続けるよりも転職する方が、普通は多くのパワーが必要だと考えるはずである。

 長く続ける弊害も出ている。30代を中心に「心の病」が増加している。確かに、自分と同じ30代でうつ病や神経症などを患い、長期休養に入っている人が多いと聞く。この世代は上司と部下に挟まれた中間管理職が多い。上司の指示に従い、自分の仕事に集中することで精いっぱい。部下の仕事にまで目を配ることは許容範囲を超えているという悲鳴も耳にする。既に「心の病」が多発している以上、我慢や無理をすればいい、というだけでは解決できない。

 長く続けるには? 一生懸命やらないことか。それとも「それをしなければ気持ちが悪い」と思うまで我慢し、習慣として定着させることか。即効性のない地道な作業になるからこそ、自分自身に対する負荷の「かけ具合」が難しいところ。我慢や忍耐には限界がある。万人に通用するような特効薬を探すことは難しい。最後は自分だけに効く極意を発見するしかない。

 長く続けるコツ。皆さんは持っていますか?

August 28, 2006 12:26 PM