記者コラム「見た 聞いた 思った」

2006年08月27日

甲子園の日程改善を:岡山俊明

 佑ちゃんフィーバーで盛り上がっている。ハンカチ株に買い注文が集まり、ネットオークションでは関連グッズが高値で取引される。来年の早実受験者は確実に増えて狭き門となるだろう。受験生は思いもよらぬ事態に頭を抱えているかもしれない。

 引き分け再試合となった決勝の日、26年ぶりに甲子園球場に足を運んだ。アルプススタンドの風景はずい分変わった。早実も昔はバンカラで女子校の友情応援さえ断っていたのに、共学になった今はチアガールがもり立てる。売られる飲料も、カチワリから、凍らせたペットボトルが主流になった。

 いまだに変わらないのは投手に多大な負担を強いる試合日程。7試合69イニングで948球を投げ抜き、4連投に耐えた斎藤の冷静なマウンドさばきは胸を打った。優勝投手の頑張りが、大会終盤の過酷な日程を見直す動きにブレーキをかけてしまうのではないかと心配になった。

 準々決勝こそ2日間に分けて実施されるようになったが、相変わらず準決勝と決勝は連戦で組まれる。準々決勝で2日目に登場した学校は、決勝まで3連戦を余儀なくされる。決勝再試合は、4連戦となる早実が不利な状況だった。駒大苫小牧は3連戦。しかも継投可能な投手陣を誇る。ふたをあけてみれば1回2死から登板した駒大苫小牧のエース田中の方が立ち上がりの制球が定まらずに連戦の影響を感じさせたが、彼らの奮闘を美談で終わらせてはいけない。

 高校サッカーは1月8日に固定していた選手権決勝を、02年度から成人の日にずらして準決勝から十分な間隔を取った日程に変えた。関東圏以外の高校は1度地元に戻らなければならないケースも出てくるが、往復にかかる費用は高体連(全国高等学校体育連盟)が負担する。あくまで選手の疲労回復を第一に考えて実施されている。

 1試合で10キロ以上走るサッカーとベンチに座る時間も長い野球を単純に比較はできないが、炎天下を考えれば野球も消耗度は相当。仮に斎藤が打ち込まれていれば世論は強く日程改善を求めていただろう。

 高野連(日本高等学校野球連盟)は指導者や過去に連投した投手から聞き取り調査を行い、適切な登板間隔を把握して決勝日を決める時期に来ている。延長18回再試合を経験した太田幸司氏のように、再試合を行わずに決着がつくまでやった方がいいという意見もある。経験者しか分からない部分もあるから、多くの声を集めて勇気ある前進を期待したい。

 決勝の日まで数日置けば、球場使用料やチーム、役員の宿泊滞在費など各方面で金銭面の負担を強いられる。その埋め合わせには、無料で開放されている外野席を有料にして充当すればいい。選手がいいコンディションで悔いなく決勝を戦えるならば、高校野球ファンは納得してくれるに違いない。感動を分かち合った甲子園で、そう確信した。

August 27, 2006 10:30 AM