2006年06月27日
泥臭い男の登場願う:千葉修宏
ヤンキースで一番頼りになる選手は、なんと言ってもジーターだと思います。とにかく勝負強い。得点圏打率は23日までで3割7分9厘をマーク。同じ状況で三振は11個しかしていません。打撃内容も、詰まりながら右前に落としたり、ファウルで粘って投手に球数を投げさせたり、ただではアウトにならないというしぶとさがあります。
マライア・キャリーと浮名を流したり、有名人との交友関係の多さやCM出演などから、とかく派手なイメージが強調されがちなジーター。その半面、スタンドに飛び込んで顔面を強打してもファウルフライを捕るような“勝ちたい”という気持ちが前面に出た、とことん泥臭いプレーもできる。だから頼れるキャプテンと呼ばれるのでしょう。
もう1人のヤ軍の看板打者、ロドリゲスの場合。得点圏打率はそれなりの3割1分3厘。ですが、同じ状況で三振はジーターの倍以上となる25個を記録しています。完全なヤマ張り打者なので、3球同じスイングをして、3回空振りしてベンチに帰ってきたり、2ストライクから平気で真ん中を見逃したりします。本当に勝とうと知恵を絞っているのかな? と疑問に思ったりもします。
昨年も最終的には打率3割2分1厘、48本塁打、130打点という素晴らしい成績でMVPを獲得しました。でも彼はニューヨークでは、「どうしようもなくチャンスに弱い打者」というレッテルを張られてしまっています。勝敗の決まった試合終盤、走者のいない場面で本塁打を打ち、ファンから失笑される打者を、僕は初めて見ました。
話は変わってサッカーW杯。ここ米国でも連日、テレビで生中継をやっています。もちろん日本代表の試合も見ることができました。残念でした。結果もさることながら、ジーターのように、見るからに勝ちに執着しているという雰囲気を醸し出している選手が、あまりいなかったように感じられてしまって。
日本人って、文化の問題なのかもしれませんが、すごく「型」を大事にすると思うんです。でもあまりに型に固執しすぎると、自分のスイングを3回して、3回空振りして帰ってくるロドリゲスのようになりかねない。最高レベルの舞台では、自分の攻撃をさせてもらえないことの方が多いですから。
例えばブラジルのように運動量も豊富で、技術も高いチームが相手の場合。中盤でボールをキープして、中田選手や中村選手からのスルーパスにFWが反応し、相手DFの裏へ走り込んでシュート、なんていうきれいな得点パターンは、ほとんどあり得ないですよね(玉田選手の得点は、そういう意味では奇跡的です)。
パスがつながらないとき、相手DFと強引に1対1で勝負してファウルをもらおうとしていたFWはいなかったように思えたし、得点にならなくてもミドルシュートを多用して、そのこぼれ球を次のプレーへつなげようとしていたMFも少なかったように見えました。次の日本代表には、華麗なプレーだけではなく、僕のような素人が見ても勝利への執念がはっきりと感じられるような、泥臭いプレーのできる選手の登場を願います。
June 27, 2006 09:56 AM
