2006年06月28日
牝馬限定にしては?:岡山俊明
宝塚記念は大方の予想通りディープインパクトが圧勝し、秋の凱旋門賞制覇に夢を膨らませた。馬券で大穴を取るのもいいが、強い馬の強い勝ち方に酔いしれるのも競馬の醍醐味(だいごみ)。その意味では、いいレースだった。
しかし、宝塚記念のあり方については、大幅に見直す時期に来ている。3歳馬の参戦もなく、新鮮味に欠けた安売りG1に成り下がっている。「夏のグランプリ」「ドリームレース」のうたい文句とは裏腹に、売りとするファン投票は有名無実化している。
毎年ダービー開催が終わると、3歳と4歳以上の古馬の混合戦が本格的に始まる。その年の皐月賞馬やダービー馬が宝塚記念で古馬に挑めば盛り上がりも違うだろうが、実際はなかなか実現しない。トップクラスの3歳馬はダービーが終わると秋に備えて休養に入ってしまうからだ。いくら負担重量を古馬より5キロ軽い53キロに設定して優遇していても、春のクラシック戦線で疲労した3歳馬の出走意欲はそそらない。68年から90年まで23回続けて古馬だけで争われた時期もある。91年以降の15年間で3歳勢の出走はたった8頭。クラシックホースが初めて参戦した03年は、2冠馬ネオユニヴァースが4着。秋は菊花賞3着で3冠を逃がし、3歳馬が宝塚記念を使うことに対してマイナスイメージが残ってしまった。今年、皐月賞とダービーを制したメイショウサムソンは早々に回避を決めた。過去47回、3歳馬が優勝した例もない。
また、せっかくのファン投票は出走馬の選定に反映されない。出馬投票した中でファン投票上位10頭に優先出走権が与えられるが、毎年フルゲートに満たないから、出たい馬は全馬が出られる状況になっている。ファン投票はまったく機能していない。プロ野球のオールスター戦とは対照的。無意味なファン投票は廃止した方がいい。
もしもドリームレースとして残すなら、控除率を大幅に引き下げてみてはどうだろうか。単勝、複勝は売り上げの約20%、枠連、馬連、馬単、ワイド、3連複、3連単は約25%が諸経費や国への上納金(正式には国庫納付金)として差し引かれる。そこを単複10%、その他15%程度にとどめて、配当1割増でファンに還元するのだ。年に1度のファン感謝セール。払い戻されていない的中馬券が昨年の場合130億円もあるのだから、それを払い戻しに繰り入れればいい。10円未満の端数切り捨て分(例えば払戻額が160円の1ケタ分はJRAの収入になる)も加えれば対応できる。売り上げが低迷しているとはいえ、JRAは昨年も2894億円余りを国庫に納めた優良特殊法人に変わりはない。国も理解してくれるのではないか。
現実的な案なら、牝馬限定戦にリニューアル。牝馬は夏に強いし、牝馬重賞の充実を図るJRAの路線に合致する。「宝塚」のネーミングにもぴったり。
いずれにしろ、現状で良しとは思えない。
June 28, 2006 09:16 AM
