記者コラム「見た 聞いた 思った」

2006年06月10日

ウチワが求める距離:小林千穂

 あぁ、ついにのぞいてしまった、禁断の(?)ジャニーズの世界を。ここ数カ月で、KAT-TUN(カトゥーン)と関ジャニ∞(エイト)のコンサート取材に行った。実はジャニーズ初体験。子供のころからアイドルに興味がなかったので、トシちゃんもマッチも、少年隊も光GENJIもSMAPも、TOKIOも1歩も2歩も、いや10歩くらい引いて見ていたかな。なのでコンサート取材!? しかも、KAT-TUNと関ジャニ∞!? 世代が違いすぎる…と、足を引きずりながら、30歩くらい引き気味で取材へ行った。

 これが、結構面白かったので自分でもびっくり。KAT-TUNは東京ドーム、関ジャニ∞は代々木競技場第1体育館。どちらもキャパはかなりあり、スタンド席からだと彼らは、ホントに豆粒にしか見えない。会場に入った時は「コンサートで、豆粒のスターを見ると、かえって果てしない隔たりを感じて、むなしくなるんだよな~」なんて思ってました。

 でも、始まってみると、予想以上に、いや予想を覆す距離でファンに近づいてくる。クレーンや台車を使って、タテヨコあっちこっち移動する。ステージ1カ所でやったって別にいいし、そういうライブの方が多い。最初から最後まで巨大スクリーン見てても、同じ空間で同じ空気吸ってるって、ある程度満足するんだから、それだけやっといてもいいはずでしょう。代々木第1体育館の3階席にいる観客のすぐ目の前まで、クレーンで上がって来てくれるとは、大盤振る舞いな。30歩の引きは10歩くらいに。ジャニーズのコンサートは観客との距離を近づける工夫をしているものが多いそうで、ああだこうだと言われようと、人気を維持する努力をしていることは間違いないわけでして。

 近くまで来てくれる、というファンの期待感を表していたのが、いろんなメッセージが入った、してして攻撃ウチワ(勝手に名付けました)。「投げチューして」「指さして」「ピースして」「変顔して」「パーンして」「ゲッツして」…。いろんなウチワが面白かったので、ファンに聞いてみると「どの子にリアクションを求めるかによって、メッセージが違う」そうだ。本人がこれまでのコンサートでやったことなどをもう1回して、という例もあれば、本人が「こんなん求めてちょうだい」と言うこともあるらしい。みんな上手に作ってましたよ。ハート形でクッションを入れた力作を持ってた女の子は「あんまりリアクション求めてないけど、やっぱり作ってみました」とうれしそう。もしかしてという期待感があるから作る気にもなるってもんで…。

 とか言いつつ、実際、ピンポイントであの子に向かってっていうリアクションなんてしないでしょ、と思ってたら、そんなことはなかった。してして攻撃が実った子は本当にうれしそうで、見てたこっちも「良かったね~」と言いたくなるくらい。

 記者席に座っていたら、上から両面テープがはがれたハートがひらりと落ちてきた。ちっちゃいハートに込めた気持ちがかわいらしくて、引き気味加減は3歩くらいになったかな。

June 10, 2006 09:47 AM