2006年05月23日
福岡で「きになる」こと:浜崎孝宏
「きになる」ことがある。我が家は福岡市内にあるマンションの8階。毎年、この時期になると早朝のベランダから「ク~、ク~」と寂しげな鳴き声が「起床ラッパ」に聞こえてくる。身ごもっていると思われるハトは、大きなおなかをゆすり、ベランダにある花壇に腰を下ろした。今にも卵を産み落としそうな勢いだ。見張り役をかねて、すき間風漏れるベランダ近くを寝床とする私の出番だ。ベランダにはだしで飛び出し「お願いだからウチで産まないで」と懇願した。ハトは私の意思が通じたのか、退散してくれたが、ハトのふんが病気を誘発するというニュースを耳にする。「平和の象徴」を受け入れざる姿勢は反省ものだが「やむなし」だった。
その話を淡々とブログに書き記した。すぐさま同僚の反応がコメントとして5件寄せられた。「平和の象徴やぞ、ヒドイな」という声もあれば「ハトのふんやら、あれは許したらアカン。いろいろ試したけど大きな磁石を置くのがいい」という先輩のアドバイスもあった。ハトに頭を悩ませている人はマンション暮らしの人が多かった。
伝書鳩(でんしょばと)という言葉もある。昔から人間とかかわりのある鳥に間違いはないが、ハトがマンションに立ち寄るということは、人目につきにくい場所に巣を作るという性質もさることながら、ハトが安心して生活できる環境が失われつつあるからだろう。
週末になると新築マンションの新聞折り込み広告が頻繁に入ってくる。近所の古い建物が壊されたかと思いきや1年ほどで高層マンションに早変わりだ。数年前まで自宅玄関前から、福岡ヤフードームと福岡タワーがきれいに見えたが、ここ最近建った高層マンションの影響で視界が少し遮られてしまった。福岡市の人口は、1日現在で約140万人。平成に入った89年からここ16年で約18万人増。人口増に伴うマンションラッシュが、ハトの住居略奪に少なからず影響しているのではないかと思った。
そんな問題を解決するヒントがあった。福岡市にあるNPO法人(特定非営利活動法人)新聞環境システム研究所(加来睦博理事=43)の活動だ。福岡市内の所定2カ所で1カ月に2度、古新聞回収を行っており、地域通貨(1ペパ=新聞1キロ)を発行してくれる。30ペパになれば地下鉄、バスなどの80円割引券を発行してくれるシステムだ。加来理事は「将来的には売り上げの一部を植樹に使いたい」と話した。古新聞は紙ボードやベッドに変身し、その収益で将来的には古新聞が、原材料の「木になる」わけだ。現在、福岡市を含め県内5カ所で古新聞リサイクルを実施しており、環境問題と住民の実益をかねた活動に会員数は右肩上がりだそうだ。
木になる植樹の継続は、ハトを含めた鳥にも好環境をもたらすだけでなく、地球温暖化抑制にもつながるだけにいい取り組みだと思った。
人にもハトにも優しい「きになる」活動。あなたの町では、どのような緑あふれる街づくりが、行われていますか?
May 23, 2006 10:06 AM
