記者コラム「見た 聞いた 思った」

2006年04月28日

2歳児の夢 さとざき:千葉修宏

 私事で恐縮ですが、今年7月で3歳になる息子が、野球にハマっています。僕が学生時代に野球部で汗を流していたからといって、強制したということは全くありません。なのに、朝早くからキャッチボールをせがまれ、おもちゃのティースタンドでの打撃練習にも延々付き合わされます。

 それだけならまだ分かるのですが、なぜか彼はキャッチャーというポジションが特に好きなのです。僕の実家から捕手用マスクを強奪し、ローラースケート用のひざ当てをレガーズ代わりに使用(2歳児用のレガースはないので)。果ては、おばあちゃんに座布団を利用した手製のプロテクターまで作ってもらって、毎日、超ゴキゲンです。

 今では多くの時間を(野球をしているかどうかにかかわらず)、上から下まで完全キャッチャー仕様の姿で過ごしています。マスクをかぶって、テレビでメジャーリーグ中継を観戦する姿は、なかなか笑えますよ。

 そんな息子に「将来、どの選手みたいになりたいの?」と質問してみました。すると「あのね、さとざきになりたいの」という答えが返ってきました。「えっ!? 里崎って、あの里崎?」。イチローとか、松井とか、野茂とか、ジーターとか、A・ロッドとか、ボンズとかじゃないんですから。驚いて、思わず聞き返してしまいましたよ。

 もちろん里崎捕手の名誉のために言っておくと、僕はかつてロッテ担当だったこともあり、彼の実力は十分過ぎるほど知っているつもりです。特に右方向への長打力には目を見張るものがあり、肩も強いです。WBC日本代表の正捕手として里崎が注目される以前から、実力的には「大リーグに挑戦する」と言ってもおかしくない選手だと思っていました。

 でも、誰もが知っているというわけではない彼の名前を、まさか2歳児の口から聞くとは…。WBC優勝の影響の大きさを実感しました。そして、これまで自分が取材してきたということもあり、何だかうれしくも感じました。

 里崎捕手はその実力とともに、愛すべきキャラクターでも関係者の間では有名です。WBC中は「打撃では、いかなる場面でもプレッシャーを感じることはないです。打てばこういうこと(報道陣が集まってくる)になるし(笑い)」などと、彼らしいビッグマウスも披露してくれました。初めて取材した記者たちの間でも、同捕手の気さくで明るい性格に「いい選手だな」という多くの声が聞かれたそうです。全国的にも今後、人気は右肩上がりでしょう。

 そんな里崎捕手へ。これからキミの責任は重大だぞ。WBCで全国区になったことで、ウチの息子みたいな少年たちは日本全国で増殖中に違いない。彼らの期待を裏切らないように、日本一、いや世界一のキャッチャーになってくれよ、ヨロシク!!

April 28, 2006 11:08 AM