2006年04月24日
森の生活にクマ困る!?:村上秀明
<歌詞>ある~日(ある~日)、森の中(森の中)、熊さんに(熊さんに)、出会~った(出会~った)
幼いころ、童謡「森の熊さん」を歌いながら、頭の中では「実際に会ったらすごいけど、あり得ねえ~」なんて考えていた。日本ハムの球団マスコット「B・B(ビー・ビー)」もクマだが、北海道とはいえ、そんなに身近な存在ではないのだ。だが、それに近い状態になりそうな施設がオープンする。
北海道・新得町のサホロリゾート内に、ヒグマの放し飼い施設「ベア・マウンテン」が29日に開業する。約15ヘクタール(東京ドーム3・2個分)の敷地に野生に近い状態で飼育、展示。園内専用の巡回バスや高さ5メートルの遊歩道から見学でき、ほかには例がないヒグマ専門の施設だ。
初めてのケースだけに当然、巡回バスの安全性、飼育密度、客による餌付けなどの面で、クマ研究者でつくる「日本クマネットワーク」から質問状を受けた。意見交換を進めながら今月に入って、北海道から条例に基づく飼育許可が出た。「自然の状態」を優先に考え、観光客による餌付けは実施しないという。
施設の周囲は二重のフェンスで、電流が流れる電気牧柵も設置。クマは穴を掘る習性もあるが、フェンスの下には巨岩を埋設し、安全性確保に努めている。巡回バスの窓も金網で覆われる。営業時間が終わると、網のついた4輪駆動車で誘導し獣舎に1頭ずつ戻す。クマには「個室」が与えられるという。
さて、肝心の主役たちだが、系列会社「のぼりべつクマ牧場」から雄12頭(15~30歳)がすでに移送された。温泉街にある登別市の「のぼりべつ-」には、訪れたことのある方もいると思うが、クマたちは人間を見ると愛想良く手を挙げる。お菓子をねだる姿はかわいらしく、猛獣のイメージを忘れさせるほどだ。
1つの疑問がわいた。果たして、コンクリートで固め、造られた施設だった「のぼりべつ-」から移送されたクマは、野生に近い環境にすぐに戻れるのだろうか。飼い慣らされた感のあるクマたちが、森に帰れるのだろうか。
「ベア・マウンテン」の職員の返答はこうだった。「長年住み慣れたところから環境が変わったので、周囲のにおいをかぎ続けたり、到着して数日が過ぎた現在でも少し戸惑いがある。でも、頭のいい動物なのですぐに慣れてくれるはず。ただ(森に放されているとき)集団でいるのか、個別に行動するのか、未知の面も多い。森の中を歩いているクマ次第」。
人間にも同じことが言えないだろうか。スポーツ選手も所属チームが変われば、周囲の環境が大きく変化する。会社員も転職、人事異動で取り巻く環境が変わる。慣れ親しんだ環境が変わり、高いモチベーションに変える人もいれば、逆にストレスと感じる人もいるだろう。結局、その人次第ではないだろうか。
数週間が過ぎて、環境を変えたクマたちが、どうなっているか今から興味がわいている。
April 24, 2006 11:24 AM
