2006年04月17日
優勝がACL変える:荻島弘一
サッカーの欧州チャンピオンズリーグ(欧州CL)が、いよいよ大詰めを迎える。欧州各国の強豪が集って「欧州王者」を決める大会は、試合のレベルでいえばW杯よりも上。世界中のトップ選手が出る欧州CLこそ、間違いなく世界の最高峰を決める大会だ。
アジアにも、これに相当する大会はある。アジアチャンピオンズリーグ(ACL)だ。リーグ王者、カップ戦覇者などが出場し、アジアNO・1クラブを決める。今季は、日本から昨年J1を制したG大阪と、一昨年度の天皇杯に優勝した東京Vが出場している。
ところが、これが盛り上がらない。G大阪が大連実徳と対戦した12日の万博競技場の観客は5555人。平日のナイターにしては健闘だが、平均1万4000人のリーグ戦と比べると寂しい。もちろん、まだ1次リーグだということもあるが、ACLが関心を持たれていないのも事実だ。
日本が勝てないのも原因だ。各国リーグ戦王者によるアジアクラブ選手権とカップ戦の勝者が戦うアジアカップウイナーズ杯が統合されてACLとなったのが03年。日本は毎年2チーム出ているが、いずれも1次リーグで敗退している。過去3年、決勝トーナメントに進んだチームもない。
クラブ選手権では99年に磐田、ウイナーズ杯で95年に横浜F、96年に平塚(現湘南)00年に清水が優勝したぐらい。Jリーグ発足前の87年には古河電工(現千葉)、88年に読売クラブ(現東京V)がクラブ選手権優勝。92、93年には日産(現横浜)がウイナーズ杯を連覇しているから、アジアでの成績は、J発足前の方がいいぐらいだ。
もちろん、Jリーグのクラブは確実に強くなっている。アジアで勝てないのは、本気でタイトルを狙いにいかないからだろう。Jリーグの日程は過密で、さらに代表の活動もある。選手の負担は大きくなるばかりで、ACLなどに精力を注げないのも分かる。
ACLの優勝賞金は、わずか50万ドル(約5750万円)。優勝賞金640万ユーロ(約8億9600万円)で、出場料や放送権料、入場料などを合わせて、優勝で軽く50億円を突破する欧州CLとは比較にならない。優勝賞金2億円のJリーグと比べても4分の1だ。収入の面でも、各クラブが「本気」にならないのは仕方がない。
しかし、昨年からはクラブW杯(世界クラブ選手権=トヨタ杯)出場権という大きなニンジンができた。欧州や南米の王者と対戦する道が開けた。12月には再び日本で開催される。「出場国枠」には否定的な意見も出ているが、Jクラブが優勝すれば問題はない。
代表だけが強くても、本当のサッカー大国とは言えない。クラブレベルの活躍があってこそだ。まずはJクラブがACLで優勝すること。そうなれば、ファンのACLを見る目も変わってくる。大会が盛り上がればスポンサーもついて賞金も上がる。自然とステータスも上がってくる。アジアで指導的な立場にある日本で盛り上がらなければ、大会もこれ以上大きくならないだろう。いつか欧州CLのような大会に。だからこそ、G大阪に期待したい。
April 17, 2006 01:21 PM
