2006年03月29日
安全、配慮はどこ?:千葉修宏
「Gawker Stalker(ゴーカー・ストーカー)」っていう言葉、知っていますか? 今、こちら米国でちょっとした議論の的になっている、「Gawker.com」というインターネット・サイトの中のコーナーの名前です。
簡単に言うと、映画スターやスポーツ選手ら、セレブたちがどこにいるのかをネット上の地図に表示するというものです。「誰がどこにいる」という目撃情報は、町中にいる一般人から寄せられます。それをサイトの運営者が順次更新していくので、このサイトを見ると、スターたちが今どこにいるのかが一目で分かってしまうというものです(何をしているとか、様子を描写したコメント付きです)。
この「Gawker Stalker」が人々のストーカー行為を助長するのではないかと、米国では今、さまざまな意見が飛び交っています。セレブたちの居場所が分かれば、そこまで見に行きたくなる人はいるでしょう。そんな人たちの中に、悪意のある輩が潜んでいないとは言い切れません。
でも、よく考えると日本でも似たようなことはあります。テレビ番組でスターの目撃情報を募集したり、レストランや洋服などのショップの中には、セレブ御用達を売りにしている店もあります。“時間”こそ特定できなくても、すでにスターが現れる“場所”は特定されてしまっているのです。これでは彼らが完全に安全だとは言い切れないでしょう。
もちろん野球選手をはじめ、スターがファンと触れ合うという機会は大切だと思います。そのために選手は球場でサインをしたり、芸能人は握手会などを催したりするのです。例えば町中や、移動する際の空港、電車の駅などで有名人をつかまえてサインをねだるというのは、特に安全面から考えると適切ではないでしょう。
以前、ある野球選手が食事中にファンに囲まれ、サインを頼まれるのを目撃したことがあります。その選手は「僕は別にいいですよ」と言いながら、イヤな顔ひとつせずにサインをせっせと書いていました。ですが、気づくと店の外までファンの行列ができていました。いくらセレブが公人とはいえ、彼らのプライバシーを尊重する配慮も必要なのではないでしょうか。
これまで米国では、そのあたりのモラルはしっかりしていると思っていました。ただ前述の「Gawker Stalker」なんかが出だすと、それも崩壊していくのかなと、一抹の不安を覚えます。
まぁ偉そうなことを書いてきましたが、考えてください。仮に自分の居場所がネット上で特定されていたら、どんな気分がするでしょうか。「28日午前11時、千葉修宏が銀座のスタバで鼻をほじくりながらお茶」なんて書かれていたら、おちおち仕事をサボることもできません。
そういう思いを、普段から有名人たちはしているのではないでしょうか。そんなことを考えながら、好きな有名人のことは分別のある方法で応援していこうと思うのでした。
March 29, 2006 11:36 AM
