2006年02月24日
宮古島の夢は甲子園:松井清員
このほど沖縄・宮古島から甲子園を目指すプロジェクトチームが発足した。その名も「夢実現! 行くぞ! 甲子園 宮古島応援団」。地元企業や野球関係者らが島を挙げて取り組み、5年以内に地元校を晴れの舞台に送り出そうという試みだ。前回に続いて、オリックスキャンプ地・宮古島の取り組みを紹介する。
近年離島勢の活躍は目覚ましい。隣の石垣島からは今春、八重山商工が初のセンバツ出場を決めた。徳之島も昨秋の鹿児島県大会準優勝で甲子園まであと1歩と迫った。また03年には21世紀枠で隠岐(島根)がセンバツ出場。そうした離島勢に負けず劣らず、宮古島の野球熱も盛んなのだ。
甲子園をかけた昨夏の沖縄県大会では宮古高が、その年のセンバツ8強の強豪沖縄尚学に1点差負けでのベスト4。中学では軟式野球でこの2月に平良中が県準優勝。小学生でも昨夏、軟式学童大会で平良第一小が全九州を制するなど、選手レベルも高い。
だが中学を卒業した球児は甲子園への近道として、沖縄本島の常連校に進むケースが目立つ。昨年も10人ほどが沖縄水産や沖縄尚学、中部商などに進学。中には主将や4番、エースを務めている選手までいる。皮肉なもので、宮古島出身選手がいる強豪校に「島の高校」が甲子園を阻まれたこともある。そんな時に立ち上げられたのが「宮古島応援団」だった。
地元でホテルを経営する平良勝之団長(58)は言う。「人口5万6000人の小さな島だけど、草野球チームだけで100もある。今も昔も娯楽と言えば野球の島。“オール宮古島”の子どもたちがそろえば、きっと勝てる。宮古島から甲子園に出れることが分かれば、若い人も島を出て行くことはないと思うんです」。
1番のターゲットは進路のカギを握る中学生だ。「応援団」が新設したのは「全宮古島中学校野球大会」。2月25日に開幕し“宮古島から甲子園へ”を大いに呼び掛ける。離島のハンディで、練習試合の相手も島内3校に限られる高校では、毎年4月末に春の県大会4強の1校を招待。親善試合を組んで全国レベルを体感させる。関西方面への遠征も計画している。指導者のスキルアップを目指した人事交流も進めて行く方針だ。島の翔南高野球部・宜保政則監督(38)は「島の子どもたちはもともと能力が高い。甲子園へのチャンスがグンと広がります」と感謝を口にした。
もちろんオリックスが宮古島野球の底上げに果たしている役割も大きい。キャンプは今年で14年目となるが、毎年野球教室を開催。島外に出る有望選手もそこで幼いころから助言を受け、成長して行くのだという。宮古島オリックス協力会の事務局長も兼務する平良団長は言う。「島の子どもたちは純粋です。その時は選手の名前が分からなくても、プロ野球選手に掛けてもらった一言はいつまでも財産になっているんです」。
宮古島ならでは、宮古島にしかできない取り組みがそこにある。島での合言葉は「オリックスの(96年以来の)日本一が先か、宮古島から甲子園出場が先か」。どちらも実現は、そう遠くないかも知れない。
February 24, 2006 11:05 AM
