記者コラム「見た 聞いた 思った」

2006年02月19日

休む勇気も今は必要:岡本学

 サッカー日本代表の宮崎合宿、米国遠征の取材から会社へ戻った12日、管理職の上司に「休め」と言われた。気が付けば1月29日から15連続出勤。代表のスケジュールがなかった13~15日に3連休を取り、おいしいものを食べ、ショッピングを楽しみ、家族と時間を共有し、仕事を忘れてリフレッシュした。

 自分のことはさておき、日本代表の選手たちは13~15日の3日間をどう過ごしたのか。中沢、久保の横浜勢のように所属クラブから休日をもらってオフを過ごした選手もいれば、浦和勢のように米国からそのままオーストラリアへ渡り、チーム合宿へ合流するというハード日程の選手もいた。また、10日の米国戦で代表初得点の千葉FW巻のように、所属クラブで自主トレーニングに励む選手も。3月4日のJ開幕まで所属クラブでの活動時間が少ない中、代表組に少しでも加わって欲しいというクラブもあれば、選手のコンディションを最優先してオフを与えるクラブもあり、対応はまちまちだった。

 今年はW杯イヤーということで、本大会までの日程も過密だ。この2月に限れば、代表での活動が28日中23日を占める。「W杯イヤーだから休めないのも仕方がない」というのは簡単だが、所属クラブでの活動と合わせて1カ月以上休みなしでハードな練習と移動を繰り返すのは、精神的にも肉体的にも決していいものではない。今はW杯出場という大きな目標がある。「休まなくたって」という選手の気持ちも分からなくはないが、けがをしてしまっては何にもならない。選手に「ブレーキ」をかける人間が必要だと思う。

 もちろん、それだけで解決できる問題ではない。今季のJリーグ日程発表の際にJリーグ羽生事務局長が「抜本的に見直す時期にきている」と話したように、飽和状態にある日本サッカー界の年間日程を大局的な立場から検討する時期にきている。試合や予定が多いことは日本のサッカーが盛んになった証しではあるが、それを支える選手たちが過密日程につぶされてしまっては、元も子もない。「削るものは削る」勇気も必要で、日本協会技術委員会とJリーグ事務局が、苦労してながら調整している代表関係の日程については、そのやり方自体が限界ではないのか。

 16日から始まった静岡合宿では、所属クラブのキャンプに参加した一部選手の合流が1日遅れになった。W杯で上位を狙うジーコジャパンにとって、選手がそろわない合宿、さらにコンディションに大差がある合宿は強化にとってマイナスだ。

 現時点で、W杯までの日程を変更しろ、などというつもりは毛頭ないが、次回の2010年W杯南アフリカ大会へ向け、日程問題を根本から考える時期にきている。欧州とのシーズンの違い、また東西に広いアジアという地域的な特性なども関連し、日本サッカー界の日程を決めるのは簡単ではない。日程問題を考える委員会の立ち上げなど、早急に検討していくべきだ。

February 19, 2006 11:57 AM