2006年01月30日
常夏の代表に1勝を:岡本学
サッカー日本代表が29日から、06年最初の合宿に入る。初日には、日本代表オフィシャルスポンサーのキリンビール、キリンビバレッジから飲料の贈呈があり、オフィシャルサプライヤーのアディダスがアウエー用の新ユニホームを発表するなど、華やかなムードの中、W杯イヤーが幕を開ける。3大会連続でW杯に出場するとあって、ジーコジャパンに対する注目度はこれから大会(6月9日開幕)まで、日増しに高くなっていくだろう。
一流ホテルに宿泊し、そろいのトレーニングウエアを着て、温暖な宮崎で、サッカーに専念する。日本には、代表チームが強化を図る上でこれ以上ない好環境が整っている。当たり前といえば当たり前のことなのだが…。
つい1週間前にグアムへ出張した。日本から空路3時間余りの常夏の島で、代表チームの練習を見学する機会があった。国際サッカー連盟(FIFA)の支援もあって、照明付きの立派なグラウンドをはじめ体育館など施設も整えられている。だが、その練習風景を見て正直「どこの草サッカーチームが練習しているのだろうか」と思った。グアム代表の選手たちが着用している練習着はバラバラ。マンチェスターUのレプリカユニホームを着ている選手がいれば、青い有名メーカーのロゴが入ったシャツを着ている選手もいる。また、使用しているボールのメーカーも統一されていない。この日の練習に集まってきたのも、たった13人だった。
グアムは96年にFIFAに加盟。以降、代表チームは公式戦18戦全敗で、昨年末のFIFAランクも205チーム中204位と「ブービー」だ。同じ「代表」だが、ランク15位の日本とグアムでは「月とスッポン」。だが、泣き言を言わずに、練習を見守る日本人が、そこにいた。昨年2月に日本サッカー協会からグアム協会へ派遣された元名古屋コーチの築舘(つきたて)範男監督。練習では「イメージしろ! パスするときのボールの速さだ。速いに越したことはないけど、相手との距離が近いのに、速いパスを出して相手が受けられなかったら意味がないだろ」と英語で、初歩的なことを何度も何度も教えていた。
「1勝することが目標です」。築舘監督はそう話すが簡単ではない。代表候補は40人前後いるが、日本のようにプロ選手はいない。日々の練習に出てくるのは多くても20人。それも仕事が終わった夕方からで、休日の日曜は「家族との時間を過ごしたい」という選手の声もあり、練習を休みにせざるを得ないのだという。
「日本でいえば草サッカーレベル。ポジションもシステムもありませんよ。GKとFWが兼任だったり。だけど、大変なんて思ってません。サッカーを教えること、やることに変わりはないですから」。環境の違いにも決してくじけない「勝利」への強い意欲を感じた。築舘監督の情熱が、実を結ぶ日が来ることを願わずにはいられなかった。
January 30, 2006 10:25 AM
