2005年10月03日
ボビーの善意は本能:栗原弘明
自分のボランティアに対する意識は、どれぐらいあるのだろう。赤い羽根の共同募金は、子供のころからやっていた記憶があるが、それ以外となると…。身近なところでそういう活動があれば協力するだろうが、果たして日常生活の中ではどうだろうか。希薄な気がする。それが海外となれば、なおさらだ。ロッテのボビー・バレンタイン監督(55)が、意外なところで口を開いた。レギュラーシーズンの大詰めの戦いの真っ最中だった。試合前のベンチ前。「話すことがある」という。アメリカを襲った超大型ハリケーン「カトリーナ」の被災者支援のことだった。同監督と球団の意向が一致し、9月17日からの千葉マリン6連戦で募金を行い、62万1100円が集まった。同監督は自ら同金額を寄付して計124万2200円を被災者家族に送ることを明かした。そういったボランティア活動に熱心だ。プレーオフへ、そして日本一へと必死の戦いを続ける中、その気持ちを忘れなかった。その理由を説明してくれた。
バレンタイン監督「(避難する途中で)車が進まないから、ガス欠になって道の横に何百台もガソリン待ちになる。トラックにガソリンを乗せて持っていくが、それも間に合わない。ガソリンスタンドに行くために、3マイルも渋滞が起こるありさまだ。困っている人がいれば、助けなければいけないし、助けたい」。
アメリカで起こった災害に対してだけではない。心臓移植手術が必要な千葉県在住の今井友輝君(6)への募金呼びかけを、球団などとともに、9月20日から千葉マリンで行われたソフトバンク戦で行った。これも424万4327円にのぼった。
バレンタイン監督「自分は名を知られた存在だから、小さな善意を集めて大きくすることができる。500円でも、それが1000人なら50万円と相当な額になる。それを実現するのに手助けができる存在なら、やらなければいけない。監督、選手の存在が他の人の良き見本になる行動をするべきだ。それをすることで、他の人も同じことをしようという気になって欲しい。小さいことでも助けたいと思う気持ちを持てば、それはいいことだ。人のために役立つのがチャリティーならば、生涯、私は何らかのかたちでかかわっていると思う」。
チャリティーへの考えを、同監督は単純明快に説明した。私の胸の内を考えてみれば、今まで大っぴらに慈善活動をすることに、どこが気恥ずかしく感じていた部分もあったと思う。それをひっそりと行うことが美徳となるような、そんな意識が日本人の心の奥底にあるのではないか。バレンタイン監督には迷いがない。すごいな、とも感じた。これから先、どんな災難があるかわからない。そういう時に、自分がどういう行動を取ることができるのか。ちっぽけな力しか持っていないかも知れない。だが、バレンタイン発言に「自分をすこしずつ変えて行こうかな」という気持ちになった。
October 3, 2005 01:32 PM
