2005年09月14日
環境考えるきっかけ:永井孝昌
風が吹けば桶屋がもうかる。というのは昔の話で、今は、強風が吹き荒れて納豆屋が悲鳴を上げている。
原油価格が高騰している。世界各地の製油所での相次ぐトラブルなど価格高騰には複数の要因があるが、そこに米国南部の石油精製施設が集中する地域を襲ったハリケーン「カトリーナ」が拍車をかけた。
影響は日常生活にも及ぶ。大豆を煮る重油の高騰と容器パックの値上がりで悲鳴を上げる納豆業界はその一例。ガソリンスタンドで「満タンね」と言うのもためらわれる現状では運送業だけでなく、水産業でも船の燃料費が例年以上にかかるために一部の魚の値段まで上昇傾向にある。このままいけば、タダだと思っていたスーパーのビニール袋が有料になる日も近い。
カトリーナに限らず、九州・中国地方に甚大な被害をもたらした台風14号など、最近の台風の大型化は地球温暖化が原因、という説がある。地球の温暖化で海面温度が上昇し、その影響で台風が大きく成長する、というもので、もしそうならばこう暑くてはとエアコンをかけ、近場の外出にも車を使い、連日の外食で割りばしを浪費している私のような人間が台風を育て、その被害によるガソリン高騰で自分の首をしめている、ということにもなる。
そんな環境を危惧(きぐ)し、自身の生活からできることに取り組もう、としている人が増えている。「ロハス」と呼ばれ、電通の調査でも「2005年後半~2006年のトレンド予測」で注目されている。メディアで取り上げられる機会も急増しているので、知っている人には何をいまさら、知らない人には何それ、という典型的な言葉かもしれない。
ロハス(LOHAS)とは「Lifestyles Of Health And Sustainability=健康で持続可能なライフスタイル」の略。ごくごく簡略化して説明すれば、自分の健康と地球環境を同時に考える生活スタイル、ということになる。といっても決して自己犠牲的ではなく、自分の幸せを第一義に考えながらその行動が環境問題に寄与すればもっといい、とする志向なのが肝。買い物に行く時は買い物かごを持って、外食する時は自分のはしを持参して、というだけではなく「ちょっと高いけど体にいいから有機野菜を買おう。地球にも優しいし」と考えることも十分ロハス的、といえる。
ロハスは今後、さらに広く浸透していくことだろう。それが一時的なブームで終わるのかどうかは分からないが、ロハスという言葉が世論をけん引していく形で環境問題への意識が高まっていくならば、時流に乗ることは決して悪いことではない。無理してストイックになったり、偽善的になる必要はない。何かをしたい、と思った時に、何が地球環境に優しいのか、という新たな「選択基準」を自分の中に持つだけで、きっと発見がある。
まずはできることから。しかも自分のために。あまりに非ロハス的な生活を続けている私も、九州、米国南部の被災地の惨状を見れば心が痛む。ガソリンも高くなったことだし、少しは運転を控えて自転車でも買おうかな、と思っている。
September 14, 2005 12:23 PM
