2005年08月14日
薬物疑惑自ら晴らせ:栗原弘明
ちょうど、高校の時だろうか。スポーツドリンクがブームとなった。私も部活動の練習の最中、帰宅してからも欠かさず飲んでいた。大学では、牛乳にプロテインを溶かして飲んでいた。なかなか溶けずに、ドロドロのまま飲んでいた。とてつもなく、まずかったのを覚えている。効果があったのかは、わからない。誰でも、体を強くしたいという願望は共通してあるだろう。
当時は社会的に「薬物」への意識は、低かったように感じる。
それが、今やインターネットの発達で、わけのわからぬ薬物の名前を検索できるし、購入もできる。
私が担当するロッテで、一部週刊誌が選手の薬物使用疑惑を報じた。バレンタイン監督と瀬戸山球団代表は会見を開き、強い口調で違法な薬物使用を完全否定した。「ふざけるな。なぜ、オレたちがそんな疑いをかけられなくちゃならないんだ。しかも、こんな時期に」。グラウンドに向かう選手の目も怒りに満ちていた。
降りかかる火の粉は、払わなければならない、と思う。
薬物への対応は、日本球界として避けては通れない問題だ。アマチュア野球なら、国際大会があるからドーピング(薬物使用)検査への意識は高い。だが、プロ野球では現段階で薬物に関しての規定がなく、対応は整備されていない。
大リーグは1月に検査方法や罰則をより厳しくした新ドーピング規定を発表した。検査は全選手が年1回は受け、シーズン中、オフを問わず無作為で行われる。検査回数も上限がない。選手は1度目の使用で10日間、2回目で30日、3回目で60日、4回目で1年間の出場停止とした。
それでも、深刻な問題となっている。先月、史上4人目となる3000安打、500本塁打を達成して将来の殿堂入りが確実視されていたラファエル・パルメイロ一塁手(オリオールズ)が薬物使用規定に違反したとして、大リーグ機構から10日間の出場停止処分を受けた。「意図的にステロイド(筋肉増強剤)を使用したことはない。どのように体内に入ったかも説明できない」。選手会を通じて異議を申し立てたものの、調停人から却下され、処分に従うよう指摘されたという。この件で元ロッテのフランコ一塁手(ブレーブス)は「たとえ今回の薬物テストの結果が間違っていても、パルメイロには、ステロイド使用者というレッテルが張られてしまうだろう。僕は自分の担当医に頼んで、独自のテストを受けている」とコメントした。
選手としてはプライバシーの保護や、いろいろな問題があるだろう。薬物に関して使用した、しない、は水掛け論になりかねない。現状では、どこまでが許される薬物なのかもわからない。日本球界として禁止薬物を明示し、規定を設ける時代に来ているのではないか。すでに、日本プロ野球組織ではドーピング検査導入へ動いているようだが、活発な議論を期待したい。
疑わしきは、自ら証明する姿勢が大事だと思う。それがひいては、一般社会の薬物汚染を防ぐ手だてにもなるのではないか。
August 14, 2005 11:54 AM
