2005年08月03日
「恋心」乗っかる商売:小林千穂
今さらかよ、と言われそうですが、韓流スターに恋する女性たちを目の前で見てきました。ブームは落ち着いたように思ってましたが、まだまだ恋心を失わない彼女たちの気持ちは、ある意味本物? なのかもしれません。
先日、チャン・ドンゴン(韓国焼酎のCMに出ていた俳優です)の取材で韓国・釜山に行きました。日本からのファン250人がツアーで見学に来ており、その人たちはなんとそのまま通行人のエキストラとして出ちゃっているのです。「チャン・ドンゴンさんとすれ違っても、じっと見ないで自然にしてくださーい」と注意されるのが、何ともおかしかったです。撮影した写真を見てみると、ドンゴンからちょっと離れた所にいる女性ファンは、明らかに目がハート。胸の前で手を組んでる人もいて、分かりやすすぎ! ここまでくると、かえってうらやましかったです。「こんなに情熱を注げるものが、私にはあるかしら」って。
単なるスターへのあこがれというよりは、恋心そのもの。取材不可だった夜のファンミーティングでは10人くらいずつドンゴンと写真撮影をしたらしいのですが、さぞ隣のポジション争奪戦が激しかったんだろうと思いきや、あらかじめくじ引きでポジションが決まっていて、粛々と撮影が進んだそうです。もちろん、混乱しないための取材者側の取り計らいなのですが、隣に座れなかった女性に「残念でしたね」と聞くと「いえ、浅ましいところを彼に見られなくて良かったです」。うぅ、けなげ。ホントに好きなのね…。
その恋心に乗っかるのは、やっぱり商売上手。ツアー代金は出発地によって多少違いますが、約9万円。ツアーを催行した旅行会社によると、詳細な内訳は公表できないそうですが、通常、釜山2泊3日の場合、航空券、ホテル代、現地での移動費で約4万円。残りの5万円がロケ参加費用と、ファンミーティングのイベント参加費になるわけです。
エキストラに参加した彼女たちには、お礼として1人ずつ1万ウォン(約1000円)が支払われたのですが、通常のエキストラなら最低でも5万ウォン(約5000円)はかかるとのこと。映画製作側にとっては、通常より低料金のエキストラと、確実に映画を見てくれる250人を確保できるのですから、一石二鳥。250人を少ないと言うなかれ。この小さな石が、口コミという大きな波紋を広げるのです。別の映画のロケツアーにも参加したことがあるという主婦は「現場を見ると思い入れが深くなって。前回の作品は7回も見ました」。7回…。すごい効果。
正直「あざといなあ」と感じてしまいましたが、何にどれだけお金を使おうと、使った人が満足できればそれでよし。日本映画でも、こんな風にファンに開放する日が1日でもあればいいかも。そんなことを思って帰国すると、母親からメールが届いてました。「ねえねえ、韓国出張ってもしかしてヨン様?」。件名のハートマークに、思わずぞぞ~っ。
August 3, 2005 10:05 AM
