2005年07月23日
ベルリンの○○期待:岡本学
サッカー日本代表が、来年6月9日に開幕するW杯ドイツ大会の出場権を獲得してから40日あまりが経過した。
過去、日本代表の歴史的な試合は、1つのフレーズとなって語り継がれてきた。後半ロスタイムにイラクに追いつかれ、94年米国大会出場を逃したときは「ドーハの悲劇」。FW岡野が延長Vゴールでイランを下して98年フランス大会出場を決めたときは「ジョホールバルの歓喜」。このほかにも96年アトランタ五輪でブラジルを破ったときには「マイアミの奇跡」。弊紙では6月8日の北朝鮮戦前に「バンコクの○○」の○○に当てはまる言葉をインターネットアンケートで募った。最も多かったのが「バンコクの必然」だったのだが、日本が北朝鮮を破って本大会出場を決めて40日以上が経過しても、フレーズとしてしっくりくるものは出てきていない。
そんな中、日本サッカー協会の川淵三郎キャプテン(会長)から、W杯出場のお礼状をいただいた。その中に、以下のような下りがあった。
「最終予選を通じて安心して試合を見ることが出来たのは、第5戦の北朝鮮戦で大黒選手が2点目を入れた後の3分間だけでした。その3分間を除けば、すべてがハラハラドキドキの連続でした。しかし、W杯出場が決定した瞬間は、喜びが爆発するというよりは、ホッとしたというのが正直な気持ちでした。W杯出場が当然のようになった日本サッカーの社会的認知度と影響力の大きさを考えたとき、ここまで発展してきたことを心からありがたいことだと思っています。今後とも日本サッカーのさらなる発展のため、ベストを尽くしていきます」。
Jリーグがスタートして12年、日本サッカーに対する国民の期待は右肩上がり。日本がW杯予選を勝ち抜いたのは今回が2度目だが、ファンの期待が予選を勝ち抜くことではなく、本大会で上位に入ることに変わったことが文章からも読みとれる。川淵キャプテンが協会トップに就任してから約3年。安堵の時間はたった「3分」で、次なる目標へ再スタートしている。
川淵キャプテンが指名したジーコ監督も、国民の期待を十分過ぎるほど感じている。W杯出場を決めた直後には「義務の一部分を果たすことができた」と話した。そして、19日に行われた東アジア選手権(31日~8月7日、韓国)のメンバー発表会見では「W杯を決めたからといって、これでいいというわけじゃない」と言った。あくまでW杯出場は通過点で「バンコクの○○」のように歴史として語り継がれるほどのものではなくなった。
ジーコ監督は「世界をあっと言わせるパフォーマンスを見せたい」と本大会での活躍を約束。決勝は来年7月9日にベルリンで行われる。「(ワールド)カップを奪え」と選手に高い目標を持たせたジーコ監督。「ベルリンの○○」と後世に語り継がれるフレーズ誕生を、日本国民は待っている。
July 23, 2005 01:10 PM
