記者コラム「見た 聞いた 思った」

2005年06月24日

言い訳多い議員たち:中山知子

 郵政民営化法案を審議するため、国会の会期を延ばすか延ばさないか話し合う17日の本会議。夜の10時半までかかったが、本来のテーマからは大脱線した。酒を飲んでいるか、飲んでいないかで大モメした。金曜の夜。取材していて、脱力感だけが残った。

 本会議が始まった午後8時50分。本会議場の取材席は2階の本会議場を見渡す3階にある。最初、自民党の反対派の中に議場にいない議員がいる、と取材席の記者がざわめきだした。国会議員も気になるのか、野党議員の注目が自民党席に集まる。そのうち、怒声が飛び始めた。民主党の若手議員が本当に怒っていた。

 議場は広く、上から見ているだけでは怒りの理由はなかなか分からない。社民党の阿部知子議員の意見を聞いて、合点がいった。「赤ら顔で議場に入った議員がいる」。飲酒して本会議?、オイオイ…。民主党の議員が指さす方角を目でたどると、顔が真っ赤な議員がいた。自民党の秋葉賢也議員は、2階席から見ても「酒気帯び」というよりももっと赤い。罵声(ばせい)と注目を一身に浴び、ばつが悪そうな様子だった。

 この日は「徹夜国会」になるかもしれない、と言われていた。まず午後4時から、民主、社民両党が出した川崎二郎議院運営委員長の解任決議案の採決をする本会議が開かれた。約1時間あまりで終了。会期延長の可否を決める本会議は午後8時50分と決まった。3時間強の「空白」が生まれた。

 この間、こちらも時間を持て余した。外に出た。蒸している。でも、金曜の夜。「ビール1杯でも飲みたいな~」。そう思わせるのに、十分なシチュエーションだ。でもさすがに仕事がまだ残っているからなあ…。フツーにそう思った。

 後で話を聞くと、野党は本会議を開く時間として、午後10時を申し入れたのだそうだ。「徹夜国会」といわれながら、あまりにも早く決着してしまえばメンツが立たないと聞いた。それでは遅すぎるからと、午後9時ごろに開くことで与野党が折り合った。

 与野党の事情をくんだ上の開始時間。それが酒を飲んだ飲まないの発端だった。最初は会期延長を認めたくない野党側が、時間稼ぎの言い掛かりをつけたのかとも思ったが、本会議が終わって出入り口に出向くと、カメラのライトに照らされて、まだほんのり顔が赤い議員もいた。

 本会議場はサラリーマン的にいえば、緊張感漂う会議室だ。開かれた会議で酒に酔っていたら、周りは何と言うだろう。しかられるだろうし、あきれられるだろう。何もおとがめなしで終わるとは思わない。

 週が明け、この問題は酒気帯びの議員の否定アピール合戦になると思っていた。でも結局、飲酒厳禁の申し合わせで、あっけなく幕を閉じそうだ。

 「週末だし会合はある」「乾杯くらいはいい」「顔に出るまで飲んだのがまずかった」。議員たちからは、言い訳が多い。ばれなきゃ何をやってもいいとでも言うのだろうか。

June 24, 2005 11:55 AM