記者コラム「見た 聞いた 思った」

2005年06月21日

未知の国での英会話:鹿野芳博

 バーレーンってどこ? 

 何語で話すの? 

 先日、サッカーW杯アジア最終予選取材でバーレーンに行った。中東に行くのは4カ国目(UAE、オマーン、イラン)だが、全く未知な国だった。

 バーレーンはサウジアラビアに隣接する島国で、公用語はアラビア語だが、英語もかなり通じた。

 といっても、私は英語が得意なわけではない。3年前から「駅前留学」しているのだが…。

 英会話スクールに入会したきっかけは単純だった。95年、野茂英雄がドジャースに入団し、私も初めて米国に取材に行った。それからほぼ毎年、大リーグを取材するようになったが、英会話は上達しなかった。

 時は流れて02年、松井秀喜がヤンキースに入団し、ニューヨークのホテルでふと思った。

 「このままでは一生、英語を話せないまま、自分の人生は終わるんだろうな」。

 そんなとき「教育訓練給付制度」というものを知った。これは働く人の能力開発を支援し、雇用の安定と再就職の促進を目的とするもので、要は、国が社会人の習い事に、ある程度お金を払ってくれるというもの。

 説明だけでも聞いてみようと、軽い気持ちで最寄り駅の英会話スクールに入った。すると、年間の授業料は約20万円(100レッスン)で、成績に関係なく8割以上出席すれば、8割の約16万円が返ってくるという(当時の規定)。つまり、年間4万円で英会話を習うことができるのだ。

 入会前に筆記と英会話のテストを受けると「簡単な単語の組み合わせでしか会話できない」というレベルと診断された。あとは入会してひたすら通うだけだ。先生は外国人、生徒は最大3人までという売り文句通りで、次第に仲間もでき意外と楽しかった。

 結局、1年間で91レッスン通い、無事、16万円を手にすることができた。英会話も多少は上達したのか、レベルが2つ上がり「簡単な日常会話は何とかなる」になった。

 話は戻る。バーレーンで1人の少年と出会った。名前はアリ・ハマディ君(9)。バーレーンの公開練習を取材していると「僕は日本の選手は鈴木とアレックスを知っている」と話しかけてきた。流ちょうな英語だった。

 アリ君はプライベートスクール(私立校)で4歳から英語を習ったという。公立校は日本と同じように9歳から英語を習うそうだが、バーレーン人は日本人よりはるかに英会話はうまく感じた。

 しばらく、アリ君と英会話を楽しんだが、次第についていけなくなった。分からない質問に、あいまいな笑顔で答えることも多くなってしまった。バーレーンでの異文化コミュニケーションはこうして、また過ぎていった。

 英会話スクールに通うのも3年目を迎える。今度こそ、もう1度気持ちを新たに、駅前留学を頑張ってみるか。

June 21, 2005 11:54 AM