記者コラム「見た 聞いた 思った」

2005年05月13日

「継続」は素敵なこと:松田秀彦

 「継続は力なりです」。3人組ロックバンドTHE ALFEEの高見沢俊彦(51)の言葉には十分に説得力があった。メンバー3人は11日、8月下旬に行う野外ライブの発表会を都内で行った。今年でデビューから31年。キャリアは日本でもトップクラスだ。どんなに人気を獲得しても、10年足らずの活動で、解散を迎えるバンドも多い。そんな中、31年という歳月は、驚異的といえる。


 高見沢は「メンバー同士で火花散らすようにもめるなんてこと1回もなかったなあ」と、涼しい顔で振り返った。その余裕ぶりが、逆にメンバー同士の結び付きの強さを感じさせた。長く続けてこられた理由を聞いても「どうなんでしょうかね(笑い)」と素っ気ない。3人で活動していることがごく当たり前のことになっているのだろう。


 7年前、元チューリップの財津和夫(57)に取材した際、解散について語ってくれた。チューリップも学生時代の仲間で作ったグループだ。「初めは友達感覚で好きなことを言い合いながらやっていた。いつの間にか社会人になって、結婚もして、子供もできて、徐々に個人の環境が変わってくるに従ってその感覚がずれ始め、最後は若気の至りでいろんな暴言やら何かでもう…」。屈託のない言葉の掛け合いを楽しむ関係だったはずが、いつの間にかののしり合いに変わっていったという。そしてチューリップは解散という道を選択した。デビューから17年目のことだった。解散後もずっと精神的な確執は残っていたという。それほど傷つけ合ったのだ。


 THE ALFEEも、よく本音で物を言い合っているという。ところが、もめることはほとんどないという。よっぽど3人の性格のバランスがいいのだろう。


 バンドが解散する時に「音楽性の不一致」という言葉がよく使われる。メンバーの中で、目指す音楽がバラバラになってしまい、解散を選択するのだ。サザンオールスターズの桑田佳祐(49)は「バンドの解散も夫婦の離婚と同じ。要するに仲が悪くなったわけで。音楽性の不一致は性格の不一致と同じ。愛人ができたりケンカが絶えなくなるのと何ら変わらない」とエッセーにつづっている。サザンは今年27年目。そんな桑田が言うように「音楽性の不一致」は、まるで夫婦にとっての性格の不一致のように、埋めようのない深い溝になり得るのだ。バンドを続けていくことは、それほど難しいことなのだ。


 太く短くというスタイルもあるだろう。解散して“伝説”になる手もある。だが、高見沢は「いろいろなブームがありましたが、僕らは変わらずこうして続けてこられた。それだけでも結構すごいでしょ」と胸を張った。変わらず存在し続けることも立派なスタイルだと思う。


 サザンの桑田は「ローリング・ストーンズは続けることで、音楽はやめられないってことを表現している」とも語っている。50歳を超えても、息の合ったステージを提供し続けるTHE ALFEEにも、その言葉がぴたりと当てはまる。

May 13, 2005 11:47 AM