記者コラム「見た 聞いた 思った」

2005年05月11日

交流戦機に連盟統合:飯島智則

 プロ野球の交流戦は予想以上に新鮮だった。開幕カードは横浜-ロッテを観戦した。横浜スタジアムの左翼席に、ロッテファンが着る黒と白のコントラストが映える。所変われば雰囲気も違うものだと感じた。


 6日の試合ではロッテが1点リードの9回表。横浜が左腕ホルツをマウンドに送ると、ロッテは左の李に代え右の大塚を代打に送った。ロッテの動き。横浜野村投手コーチは「李が代打を出される立場かどうか。なかなか判断がつかなかった」と言う。同一リーグならば、ある程度は相手ベンチの動きが読める。交流戦ではスコアラーが集めた豊富な資料が、まだ生きたデータになっていない。そんな戸惑いも実に面白い。

 同じ野球とはいえ、リーグ間には多くの差があったとあらためて思う。交流戦の実施に際し、リーグ間で異なるルールが統一された。例えば「危険球は即退場」「メガホンをベンチに持ち込んではいけない」など。昨年まで、ベンチ入り選手が示される出場登録名簿がセは縦書き、パは横書きだった。さあ、どちらにする? とも話し合われた。笑い話ではない。ちゃんと横書きに統一されている。


 4月26日の実行委員会では、出場停止選手の登録抹消について統一された。パのアグリーメントでは出場停止中の選手は「登録からの抹消は認められない」と明記されている。セは規定がなく球団の判断に任されていた。だが、今回、セ、パともに抹消は球団の判断だが、代替選手の登録は認められないと統一された。つまり出場停止選手が出たチームは1軍が28人のところ、27人で戦わなければならない。


 可能性はあるが、珍しいケースだろう…と思っていたら、交流戦開幕日の6日に中日ウッズが10試合の出場停止処分を受けた。いきなりの適用だった。


 また通常、処分は所属リーグ連盟会長から受けるが、交流戦では主催球団が所属する連盟によって処分が出されると確認されていた。これも早速の適用があった。西武カブレラが7日の広島戦(広島)で審判に暴言をはいたため、セ豊蔵会長から厳重注意と制裁金10万円の処分を受けた。何事も事前の準備が大切ということだ。


 交流戦を機として、多くの部分でリーグ間の統一がなされた。となれば連盟が分かれ、それぞれに会長が存在する意味は低くなる。


 大リーグでも以前は連盟が分かれ、ア・リーグ、ナ・リーグにそれぞれ会長がいた。ところが00年にリーグは統合され、大リーグ機構(MLB)が一括して組織を仕切っている。実は、4月に渡米した巨人清武代表らワーキングチームがMLBとの会談の際に「リーグ連盟を統一したメリット、デメリットは」という質問をしている。MLBの答えは「デメリットは見当たらない」だったという。


 誕生の歴史が異なるため、リーグとしての利益、発展を考える必要があったことは理解できる。だが、交流戦も実現した今、リーグよりも大きな「プロ野球」を単位として考えていくべき時になったと思う。ドラフトなど個々の制度を改革する前に、組織のあり方を検討すべきだろう。

May 11, 2005 12:28 PM