記者コラム「見た 聞いた 思った」

2005年04月26日

野球場に行く楽しみ:栗原弘明

 思わず、見入ってしまった。14、17日とロッテが球団チアパフォーマー「M☆Splash」のオーディションを行った。千葉マリンスタジアムの正面にステージを設置。スポンサーも付き、公開という異例の形を取った。それだけ球団の期待も大きく、売り出したいという意欲が表れていた。


 受験者は300人。予想を大きく上回った。ダンサー、学生、主婦、アナウンサー、レースクイーンとさまざまで18~52歳までが受けた。好きな手段でのPRもあり、新体操、バレエ、バトン、アカペラなど体を張ったアピールで熱意がストレートに伝わってきた。


 球団はチアガールの再編成で他チーム、球場との差別化を図っている。チアダンスというスポーツで「お飾り」的なチアガールからは脱却しようというわけだ。そのため米NFLのワシントン・レッドスキンズの元チアリーダー、中山麻紀子さん(29)が企画広報部の一員としてディレクターに就任。オーディションでも審査員を務めた。「ダンスだけではなく、表情、ショーマンシップを見た。笑顔でチーム、観客に元気を与えるような存在になれば」と目的を語った。


 合格したのは、これも予想を上回る18~31歳の76人。大所帯だが、球団チアの枠を超えた活動を目指す。76人をダンス中心、接客中心などに役割分担。中山ディレクターは「ファミリーのようになれば」とボランティア、イベントなどの出演も視野に入れている。


 もともとチアリーディングは米国の大学で、フットボールチームを応援するために男子学生が声援の形を取ったのが最初、といわれる。「あくまでチームが主役。ロッテファンは熱心だし、ファンに倣って新しい応援スタイルをつくっていきたい」と中山ディレクターはいう。どのように野球とチアパフォーマンスを融合させるか、どのようなダンスで野球ファンを盛り上げるか。独自のスタイルを模索していく。


 今季からプロ野球の観客数発表がより正確になった。それは現実を見つめなければならないということだ。プロ野球のニュースで、テレビカメラが瞬間的に映し出す観客がまばらなうち、外野のスタンドに、思わず目を背けたくなることが、時々ある。観客を集めるためには、もちろん、洗練されたプレーが基本。だが、その上に、ロッテのようなチア改革や、球場そのものの独自性でファンを引きつける手段もあるだろう。ゴールデンウイークが近い。野球を見る上に、その球場に行くだけで、イベントに接するだけで楽しい気持ちになれれば…。


 新生「M☆Splash」のお披露目は5月3日からになる。開幕以来となる本拠地での楽天戦だ。その舞台に向けて、76人のメンバーはレッスンを重ねている。

April 26, 2005 03:02 PM