2005年04月24日
移籍は「自分のため」:盧載鎭
Jが開幕して6試合を消化した。開幕前、優勝候補に挙げられた浦和、磐田、G大阪などのチームが苦戦し、昨季低迷していた鹿島が快進撃を続けている。まだ34(試合)分の6が終わっただけだが、水面下では有力選手の獲得をめぐるし烈な争いが展開されている。また、成績を残せない監督は、解雇される時期でもある。
今のタイミングで、移籍市場に名を連ねている実力者は、日本代表DF宮本恒靖(28=G大阪)とMF藤田俊哉(33=磐田)だ。2人は実績、人格などあらゆる面で若手の見本になり、実力でも日本を代表する選手だが、それぞれのチーム事情、監督の好みなどで今季、レギュラーの座を奪われた。
移籍を恥じることはない。サッカーは野球と違って試合数が少ない。チャンスを与えてもらえないなら、出場機会をくれるチームに移籍するのは、サッカーの世界では当たり前のことなのだ。新天地で実績を残して自分を起用しなかった監督を見返してやればいい。いずれ訪れる直接対決の場で、自分を手放したチームを後悔させればいい。それは、ファンを裏切る行為ではない。
「チームのために自分の役割を黙々とこなし、出番を待つ」。日本人の感覚では、これがベストな選択かもしれない。でももう長嶋、王の時代ではないのだ。ミスター・マリノス井原は磐田を経て浦和で引退した。鹿島一筋だった秋田は現在、名古屋でプレーしている。ラモス、武田、北沢らと川崎(現東京V)の全盛期を築いたカズは、神戸のリーダーとなった。
今回、移籍市場に名前が挙がっている大物2人だが、移籍先選びで相当悩んでいると聞く。幸い、藤田は希望していた浦和が手を挙げてくれた。しかし現在、2クラブから誘われている宮本は、意中のクラブからは声が掛からない。待つべきか、それとも声を掛けてくれているチームに移籍すべきか。
宮本の移籍問題が長引くと、ジーコジャパンにも影響するのは必至だ。代表でDFラインの軸で主将を務める選手が、所属チームではスタメン出場できず、途中からボランチに入るようでは、当然試合勘は鈍る。ずぶとい神経ならともかく、周りに細心な気配りを忘れない優しい性格だけに、リーダーシップを発揮する前に、自ら悩んでしまうことも考えられる。
日本代表は6月3日にバーレーン、同8日に北朝鮮と、W杯出場のための大事なアウエー2連戦を控えている。アウエーのプレッシャーに加え、最終予選突破直前の目に見えない負担もある。またここへきてチームの軸となる欧州組の負傷、不調が目立つ。国内組からは不満の声も上がっている。チームをまとめる宮本には、今まで以上のプレッシャーがかかるはずだ。
宮本を使わないG大阪や西野監督を責めるわけにはいかない。必死で勝つためにベストを尽くしているのだから。日本のため、自分のため、宮本自身が決断する時期は目の前に迫っている。
April 24, 2005 11:56 AM
