記者コラム「見た 聞いた 思った」

2005年04月22日

偽警官?!だまされるな:鹿野芳博

 「警察だ。止まりなさい」。道を歩いていて、突然後ろから呼び止められた。振り返ると、黒いジャンパーにジーパン姿の25歳くらいの男性が私を追いかけてきた。うさんくさい。明らかに警察官には見えなかった。私はとっさにこう思った。


 「こいつはニセ警官だ」。


 7日、私は公休日で東京の新橋駅から近くのパチンコ店に向かって歩いていた。午後5時すぎだった。


 警察を名乗る者はおもむろに警察手帳? をチラッと見せた。それがまた怪しかった。テレビドラマでしか見たことがなかったが、それとは明らかに違った。「太陽にほえろ」や「西部警察」で見たものは縦長、横開きで、表に金色で「警察手帳」と書いてあった気がする。


 彼が見せたものは縦長でそのまま縦に開くものだった。広げた上半面は顔写真付きの身分証明書で、反対の下半面が、金色の金物でできた大きなバッジだった。それはアメリカの西部劇に出てくる保安官が胸に付けてるようなものだ。


 「間違いなく偽者だ」と確信し、無視を決めた。それでも彼は執拗(しつよう)に追いすがり、私の肩に手を添え「どこに行くのか?」と質問を繰り返した。

 すると、もう1人の怪しい者が同じように警察手帳を広げ近寄ってきた。もう完全に怖くなり「人と会います」とだけ言い、歩くスピードを上げた。2人はそれ以上追ってこなかった。


 周りにいた人々の視線が私に注がれているのを感じた。追う2人の男に、逃げる男。この光景はどう見ても私が不利だ。周囲の人には、怪しく映っているのだろう。パチンコ店をあえて1周し、角を曲がるたびに後からだれか付いて来ないか確認し、逃げるようにして店に入った。何も悪い事をしていないのに。


 海外のニセ警官の話はよく聞く。海外出張のときに購入する「地球の歩き方」にも書いてある。どの国でもポリスと名乗り、所持品の検査と称して巧みにパスポートや財布を奪うという。無視して防ぐという対処も紹介されている。今回、それを実行したまでだ。


 だが、ニセ警官のことがどうしても気になり、新橋交番に行って話を聞いた。ところが…。


 新橋では犯罪が多発しているため、私服警官を複数配置し、防犯に努めているということだった。怪しいと思った警察手帳も実は本物らしい。交番の警察官も同じものを持ち、私にじっくり見せてくれた。「警察手帳を見せられたら、再度確認してください」ということだった。


 新橋ではアジア系外国人の犯罪も多く「あなたの髪が少し茶色いし、外国人に見えたのではないかな?」と言われた。そういえば、私は花粉症で、あの時はマスクで顔を覆い、オレンジ色の派手なジャンパーを着ていた。


 それでも、いきなりテレビと違う警察手帳を見せられても驚くよなあ。


 皆さんも参考までに警察手帳はテレビと違うということを覚えていてください。そして、本物と偽者をきちんと見極め、だまされることはないよう自己防衛しましょう。

April 22, 2005 11:59 AM